22日の暗号資産(仮想通貨)市場は、ビットコイン(BTC)をはじめ多くの銘柄が価格を伸ばしている。

円相場、一時約6年ぶりに1ドル120円台に ビットコインは4万2000ドル台に復帰
(画像=月刊暗号資産)

先日行なわれたFOMC(米連邦公開市場委員会)の定例会合で、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が「必要に応じて次の5月の会合で政策金利を0.5ポイント引き上げる用意がある」と述べたことを受け、米株式市場は下落。講演後も記者の質問に対し「利上げを妨げるものなど何もない。インフレが高い状況で、ロシア問題などで食品、エネルギー、その他の商品の価格が高くなりインフレが悪化する。FOMCは積極的に動く」と述べた。

それでも、「米経済は非常に力強い」と発言したが、米株式市場はダウ平均が下落し201ドル安の3万4,552ドルで終えている。

パウエル議長の発言を受け米長期金利は上昇。為替市場では円安が進み、約6年ぶりに1ドル=120円をつける場面が一時見られた。

米国の経済動向に左右される場面が多いビットコインにおいても、地政学リスクを含め、先行きの不透明感から狭いレンジでの取引が続いていた。

しかし、ロシアとウクライナ双方との間で協力関係を維持しているトルコのメブリュト・チャブシオール外相が「停戦交渉が進展を見せており、合意に近づいている」との見解を述べたほか、ウクライナのゼレンスキー大統領が「ロシアの要求は国民投票を行う必要がある」と停戦に向け前向きな発言をしたことで、若干の戻しが見えた。

また、ビットコインについては、世界最大規模のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエイツ(Bridge water Associates)が、暗号資産ファンドのサポートを進めていることがわかった。現在、1,500億ドル(約18兆850億円)の運用資産残高を持つブリッジウォーターは、2022年半ばまでに暗号資産市場に参入する計画があるという。

こうしたポジティブ要因もあり、記事執筆時点でビットコインは4万2,500ドル(約512万円)台を推移している。4万3,000ドル(約518万円)を突破し、トレンドを維持すれば、5万ドル(約602万円)回帰も視野に入る可能性がある。

またアルトコインに目を向ければ、イーサリアム(ETH)も大台の3,000ドル(約36万1,000円)を突破した。コンセンサスアルゴリズムを現行のPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へ移行する上で、進展が見られたことが好感を得ている要因と言えるだろう。(提供:月刊暗号資産