英語で「Time flies」という表現がある。直訳すると「時間が飛ぶ」であるが、転じて「時間が経つのは早い」という意味で使われる。来週から5月である。2022年も早くも3分の1が過ぎようとしている。筆者としては文字通り「時間が飛ぶ」ように過ぎ去ったというのが率直な感想である。インフレ高進、原油価格の高騰、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締め政策への転換、そしてロシアのウクライナに対する軍事侵攻と、マーケットにとっても激動の4カ月だったように思う。
さて、ここまでの米株式市況のパフォーマンス(2022年4月22日時点)を振り返ってみると、S&P 500の年初来騰落率はマイナス7.82%となっている。セクター別では、エネルギー・セクターがプラス40.59%と11セクターのなかで圧倒的に強いパフォーマンスを示した。一方、最も弱いパフォーマンスを示したのはコミュニケーションサービス・セクターでマイナス20.17%、次いでITセクターがマイナス15.50%、一般消費財セクターがマイナス12.17%といずれも2ケタを超える下落率を記録している。
注目したいのは金融セクターだ。4月22日時点の金融セクターの年初来騰落率はマイナス4.64%でS&P 500(マイナス7.82%)をアウトパフォームしているものの、おおむね歩調を合わせた動きとなっている。通常、金利の上昇は金融セクターに追い風となるはずだが、FRBが利上げを開始したにもかかわらず冴えない展開だ。
今回は米金融大手の業績を交えながら、金融セクターの最新情報をお届けしたい。