この記事は2022年6月15日に「月刊暗号資産」で公開された「暗号資産市場でリスク回避の動き FOMC控え警戒感一層高まる」を一部編集し、転載したものです。
15日の暗号資産(仮想通貨)市場は連日の流れを受け続落する形となっている。
ビットコイン(BTC)は14日に一時2万1,000ドル(約282万円)ほどまで下落したものの、その後2万3,000ドル(約309万円)ほどまで回復。しかし米時間に入ると上値を重くし、15日のアジア時間では再び下落の一途を辿っている。
記事執筆時点でビットコインは2万500ドル(約276万円)付近を推移しており、買いが入りにくい状況が続く。2万ドル(約269万円)は大きな節目として見られており、価格回復の見通しを立てる上で重要なサポートラインとも言える。またアルトコイン市場もイーサリアム(ETH)を筆頭に多くの銘柄が価格を落としており、暗号資産市場は再び大幅下落の様相を描いている。
10日に発表された米CPI(米消費者物価指数)の結果からインフレ懸念が再度高まり、14日、15日の両日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)において、0.75%の利上げを決定するとの見方が強まっている。記録的なインフレ状況を踏まえ、FRB(連邦準備制度理事会)がさらなる利上げに踏み切る可能性が強まっている。
米国による金融引き締めが加速することで景気後退に陥ることを懸念する投機筋も多く、米ハイテク株や暗号資産などのリスク資産から資産を退避させる動きは急速に拡大している。
14日の米国株式市場は、ダウ平均が前日比151.91ドル安(0.50%)の30,364.83ドルで取引を終え、5日連続での下落を記録。さらに、S&P500も14.15ポイントのマイナス(0.38%)となる3735.48ポイントで取引を終えている。ナスダックにおいては取引終了直前に上昇し、前日比19.12ポイント上昇(0.18%)の10,828.35ポイントで終えている。
日付が変わり15日の日経平均は半導体関連をはじめとした景気敏感株などを中心に売りが先行し、4日連続の下落となる前日比303円70銭(1.14%)安の2万6,326円16銭で終えた。FOMCの結果は日本時間16日未明に発表される予定で、警戒感の高まりから運用リスクを避ける動きが強まった格好だ。暗号資産市場でも同様にリスク回避の動きが加速していることから、アジア時間での売りが先行したと言えるだろう。
FOMCの結果次第では暗号資産市場においてさらなる価格変動が起こる可能性も考えられるため、十分警戒する必要がある。(提供:月刊暗号資産)