この記事は2022年6月21日に「月刊暗号資産」で公開された「FTXがカナダの暗号資産取引所BItvoを買収へ」を一部編集し、転載したものです。


FTX
(画像=velirina/stock.adobe.com)

暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは17日、カナダの暗号資産取引所Bitvoを買収すること発表した。今回の買収により、FTXがカナダへと進出することになる。

買収はカナダの規制に遵守しながら当局の承認を受け次第行っていく予定となっており、今年の第3四半期に買収が完了する見込みとのことだ。

FTXのCEOであるサム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried)氏は今回のBitvo買収に関して、「カナダに進出し、よりFTXがグローバルに拡大することができるため嬉しいことだ。そしてこれから様々な国々の規制当局と協力する大きな一歩となるだろう」と述べている。

また、BitvoのCEOであるPamela Draper氏は、「カナダ国内でデジタル資産への興味、関心が高まっており、FTXという世界有数の暗号資産取引所がカナダ国内に参入する手助けができることを喜んでいる」と述べていた。

なお、今回のBitvoの買収金額は公開されていない。

CEOのバンクマンフリード氏が、グループ拡大に向け、今後数千億円を投じて様々な企業を買収していくことと語っていることから、Bitvoの買収もその一環とみられている。FTXはLiquid groupを買収し、日本でも先日、「FTX JP」をローンチするなど、攻めの姿勢を崩していない。

暗号資産市場が冬の時代に突入したと囁かれる中、FTXは人員削減等について検討していないことを明確にしている。さらには、引き続き企業の買収等を積極的に行う姿勢を見せている。

大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)のCEOであるCZ(チャンポン・ジャオ:Changpeng Zhao)氏においても先日、「暗号資産の冬はビジネスに良い結果をもたらす」と述べるなど、暗号資産関連企業の中でも動きは二分化している状況だ。

暗号資産市場の冷え込みが明白になってきている中、FTXやバイナンスなど、大手取引所らがどのような動きを見せるか、その一挙一動に注目が集まりそうだ。(提供:月刊暗号資産