飲食事業から不動産事業へ

――2012年には社名がシティスコープ株式会社に変わり、その代表取締役に就任されています。

2012年に同社の全株式を買い取り、代表取締役に就任し、社名を変更しました。同年3月に麻布十番にあった焼肉店を居抜きで買い取り、一部内装をニューヨークモダンにして、スタッフも新たに採用し、「麻布十番 焼肉BULLS」という店名にリブランディングしてオープンさせたのが最初のプロジェクトです。

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麻布十番店(店内)
2012年にオープンした麻布十番 焼肉BULLS

――飲食事業から不動産事業へ方向転換をしたのはどのような理由からだったのでしょうか。

私自身、もともとホテルやレストランの企画開発や大規模リノベーション等の業務に携わっており、業態開発や物件の再生、リノベーションに関して十分な知識と経験がありました。それを活かすべく、「麻布十番 焼肉BULLS」をオープンさせた2年後に宅地建物取引業の免許を取得し不動産事業に参入しました。

最初は中古の区分マンションを買い取ってリノベーションをかけ、3,000万円から8,000万円の価格帯で再販するという事業を始めました。およそ100戸を扱い、2017年には高級戸建事業に参入するとともに、将来的には住宅事業が当社の中心になるという考えから社名を株式会社シティホームズに変更しました。

高級戸建事業では自由が丘や目黒などの高級住宅街の土地を買い、1億3,000万円から1億5,000万円の高級戸建住宅を手がけました。その後、さらに利益率の高い事業へと拡大していきたいという想いから、飲食店経営と不動産開発それぞれのノウハウを融合させた商業店舗ビル事業を2017年にスタートさせました。

最初は渋谷の神泉に25坪の土地を購入し、4階建ての飲食ビルを建てました。すぐにテナントが埋まり、1棟丸ごとの買い手も見つかって売却できたので、その勢いで白金に隠れ家的な土地を買い、同じく4階建ての飲食ビルを建てたところ、ここもすぐにテナントが埋まって売却できました。これを機に続々と事業用地を仕入れ、購入する土地の面積も徐々に広くなり、ビルの階数も高くなり、商業店舗ビル事業を拡大していき、今に至ります。

>>>収益商業コンパクトビルのリーディングカンパニー、株式会社シティホームズのソーシャルレンディングについて詳細を見る

「THE CITY」シリーズと東京へのこだわり

――現在の事業内容について、改めて解説をお願いします。

「東京都心の駅近好立地」に特化し、25坪から50坪の土地を仕入れ、そこに集客にこだわった高いデザイン性のモダンな収益商業ビル「THE CITY」を建て、テナントを誘致し、利回り物件として国内外の投資家に売却するというビジネスです。

収益一棟建物には、マンション、オフィスビル、商業店舗ビルという3つの業態がありますが、商業店舗ビルは1坪当りの家賃収入を最も最大化できるビル業態なので、ここに着目し事業を手がけています。今では、麻布十番、西麻布、南青山、神宮前などの人気の高い好立地も含め、40棟にも及ぶプロジェクトを手がけており、収益商業ビルのリーディングカンパニーを目指して事業展開を進めています。

ビル事業開始から4年、決算も2018年度の売上高35億円から、2022年3月期には142億円の売上高を記録することができました。

テナントも当初は飲食店が中心でしたが、今では美容室やデンタルクリニック、スパ、ネイルサロンなど、出店意欲が旺盛な業態の店舗が入居しています。

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最初に手がけた4階建て飲食ビル「THE CITY渋谷神泉」
小口化商品として展開した「THE CITY代官山」
小口化商品として展開した「THE CITY代官山」

加えて、これまでは1棟ごとの販売を進めてきましたが、不動産特定共同事業免許を取得し、ビル一棟を小口化して販売する不動産小口化商品「THE CITY SHARE」の販売も始めました。THE CITY代官山とTHE CITY中目黒の2棟を不動産小口化商品として販売したところ、好評を博し早期完売しました。

また、100%子会社として、株式会社シティダイニング、株式会社シティプロパティーズの2社があります。当社は「麻布十番 焼肉BULLS」から事業をスタートしましたが、現在では飲食事業を株式会社シティダイニングとして分社化し運営しています。新宿、中野坂上、月島、麻布十番の焼肉BULLS業態4店舗、すっぽん・ふかひれ「銀座まる市」、Italian Bar ROMANO 麻布十番、そして「銀座 まる市」のDNAを継承した居酒屋「麻布十番 居酒屋 あさごや」の計7店舗です。ここ数年はコロナ禍にありましたがどの店舗も評判が良く、多くのお客様にご贔屓にしていただき、順調に推移しております。

もう一つの子会社である株式会社シティプロパティーズは不動産のビル管理を行う管理会社で、当社の特色である「企画開発、リーシングからビル管理まで」一気通貫でビル事業を進めており、ビル売却後のビル管理業務を請け負っています。

――「THE CITY」シリーズの収益商業ビル事業は東京都心で展開しているということですが、その理由を教えてください。

まず、収益商業ビルに特化しているのは先ほどお伝えしたとおり、家賃収入を最大化でき、高い収益性が見込めるからです。そして東京の都心に特化していることについては、東京は世界が認める不動産投資対象都市であり、土地の価値が安定しており、将来性を大きく見込める場所であることに他なりません。

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