この記事は2022年8月3日に「月刊暗号資産」で公開された「米SEC、約400億円の被害を生んだポンジスキームプロジェクト「Forsage」を提訴」を一部編集し、転載したものです。
米証券取引委員会(SEC)は1日、暗号資産(仮想通貨)投資のポンジスキームとして、「Forsage」のプロジェクトに関わる11人を提訴したと発表した。
Forsageでは米をはじめ、世界の個人投資家から3億ドル(約400億円)あまりを集める詐欺を行ったとされている。
同プロジェクトでは「Forsage.io」というサイトを構築し、イーサリアム(ETH)、トロン(TRON)、バイナンスブロックチェーンのスマートコントラクトを活用することでP2P取引を可能にした。
しかし、SECによればこのサイトはマルチ商法として運営され、投資家は他の投資家を勧誘することで利益を得ていた。実態はいわゆる「ネズミ講」で、新しい投資家からの資産を紹介者の利益に還元するポンジスキームであったようだ。
なお、SECへの登録と承認など何もしておらず取引に必要なライセンスも所持していない。
SECによると、今回提訴された11人のうち4人がForsageを立ち上げたという。4人の創設者はロシア、グルジア共和国、インドネシアに住んでいることが確認された。
また、ForsageのWebサイト、ソーシャルメディアで宣伝するために雇った米国在住のプロモーター3人、そして米国内5つの州で活動していたスキームの宣伝グループ「Crypto Crusaders」のメンバー数人が提訴された形だ。
2020年9月にフィリピン証券取引委員会、2021年3月にモンタナ州証券保険委員会から詐欺行為にあたるとして営業停止処分を受けたが、被告たちはYoutubeなどで宣伝を続け被害を増大させたという。
SECの暗号資産・サイバー部門責任者代理キャロライン・ウェルシュハンズ(Carolyn Welshans)氏は「Forsageは大規模に立ち上げられ、投資家に積極的に詐欺行為を繰り返してきたマルチ商法だ。詐欺師達は、自動約定取引とブロックチェーンに焦点を当てた連邦証券法から逃れることはできない」と述べた。
SECの発表によると、11人のうちの2人は容疑の可否を明らかにはしていないものの、和解し制裁金の支払いと今まで得た利益を破棄する意向を示しているという。(提供:月刊暗号資産)