海外プライベートバンクで提案されるポートフォリオ
それでは、海外プライベートバンクでは富裕層に対して、どのようなポートフォリオを提案しているのだろうか。顧客のニーズによって多種多様ではあるが、個別債券でポートフォリオを組むことが最も多いようだ。プライベートバンクに口座を開設する富裕層には、安定的な運用で着実にリターンを積み上げていきたい人が多いためだ。
具体的には、投資適格社債を中心にポートフォリオを組み、一定の現金ポジションを残す場合が多い。なお海外プライベートバンクの場合、コストが高くなりがちな投資信託を購入するケースはほとんどない。
また、レバレッジをかけて債券投資ができることも海外プライベートバンクの大きな特徴だ。具体的には、投資適格社債や劣後債を担保にお金を借り、そのお金でさらに債券に投資する。担保枠は投資額の50%〜70%、ローン金利は円建てで1%〜1.5%くらいであることが多い。
たとえば、2億円分の債券を購入し(この時点で利回りは5.46%とする)、その債券を担保に入れて1億円を資金調達(借入金利は1%と仮定)、5%利回りの債券に再投資する。すると、当初の投資額2億円に対して、最終利回りは7.43%になる計算だ。この債券のレバレッジ運用は、日系プライベートバンクではなかなか対応しておらず、海外プライベートバンクだからこそできる方法と言えるだろう。