本記事は、桑野麻衣氏の著書『「また会いたい!」と言われる 一流の話し方』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

×敬語を使わない
△相手に失礼のないように敬語を使う
→ ○自分のためにも敬語を武器にする

ビジネスマン
(画像=LIGHTFIELD STUDIOS/stock.adobe.com)

あなたは敬語を使う理由について考えたことがありますか? わざわざ考える機会は、あまりないかもしれませんね。しかし、敬語を正しく使える人とそうでない人の違いは、実はここにも表れるのです。

文化庁の発表している『敬語の指針』に、敬語を使う2つの理由が書かれているのをご存じでしょうか?

1つめは「相互尊重」という考え方。「敬語は、人と人との『相互尊重』の気持ちを基盤とすべきものである」と書かれています。年齢や立場に関係なく、目の前にいる相手のことを尊重し、失礼のないように敬語を使いましょう、という意味です。ある程度、敬語を使えている人であればこの視点はしっくりくるのではないでしょうか。目上や年上はもちろんのこと、初対面の相手など相手に失礼のないようにまずは敬語を使いますよね。

2つめは「自己表現」という考え方です。「敬語は、自らの気持ちに即して主体的に言葉遣いを選ぶ『自己表現』として使用するものである」とあります。正しく敬語が使えることはあなたにとって武器となり、自信にも繋がります。

相手を大切にし、自分も大切にするものが「敬語」

以前、とある人気な先生のセミナーに参加した時、お話自体は納得のいくものでしたが、「~なんだよね」「うん、うん」といった語尾やあいづちが多く、残念な印象のほうが強く残ってしまった経験があります。このように、どんなに良い話をしていても、敬語が使えていないことでいまいち内容が入ってこなかった……なんて経験はないでしょうか。

「人柄は良いけれど、自分の大切な人に紹介するのは抵抗があるな……」と思う人の共通点として、敬語を正しく使えないことがよく挙げられます。「敬語が使えない」ことで、相手を軽んじているように見えることが理由です。また、「敬語すらできないということは、違う部分でも気を遣えないのでは?」と思われかねません。