ある富裕層の資産ポートフォリオ例
ここで、上記のポートフォリオの考え方を応用した「ある富裕層の資産ポートフォリオ例」を見ていこう。まずはこの富裕層の簡単なプロフィールと相談事項を紹介する。
<プロフィール>
・50代男性
・上場企業オーナーであり、現役経営者でもある
・数年前に上場し、会社の成長と共に、少しずつ自社株を売却(現金化)してきた
・現在運用に回せる金額は10億円〜15億円ほど
<相談事項>
・10億円で国際分散投資のポートフォリオを作りたい
・あまり冒険はせず、年率平均リターン4%くらいを目指したい
・多忙なので、なるべくメンテナンスコストがかからないようにしたい
・将来的に海外移住する可能性があり、米ドル中心で運用したい
そして、この富裕層に提案した基本ポーフォリオは以下の通りだ。なお基本ポーフォリオは、文字通りあくまで「基本」であり、状況に合わせて、この配分を微調整していくことになる。
<基本ポートフォリオ>
・キャッシュ:20%
・国内株式:10%
・外国株式:20%
・外国債券:35%
・REIT:5%
・コモディティ:10%
このポートフォリオはインカムゲイン重視のものになっている。具体的には、株式は相対的に高い分配金を出すETF中心に5銘柄に分散した。債券は1つだけETFを組み入れているものの、その他は個別銘柄に分散する。REITを含めて、これらの資産が安定的なインカムゲインを生み出す形になっている。