この記事は2023年1月6日に「月刊暗号資産」で公開された「シルバーゲート、1兆円超の預金減を発表 従業員40%を削減へ」を一部編集し、転載したものです。


Silvergate Capital
(画像=Timon/stock.adobe.com)

暗号資産(仮想通貨)関連サービスを手がけるシルバーゲート・キャピタル(Silvergate Capital)は5日、従業員を40%削減することに加え、多額の資産売却を発表した。

発表後、シルバーゲートの株価は一時40%を超える下落となった。2021年11月株価は222ドルまで上昇していたが、2022年には17.40ドルまで下落している。

シルバーゲートのCEO、アラン・レーン(Alan Lane)氏は声明で、「現在、デジタル資産の預金を超える現金を保持している。多くの顧客が2022年第4半期に預金を引き出したため、シルバーゲートはホールセール資金を利用してその補填をした。その後、預金水準の低下に対応し、バランスシートの流動性を維持するために、負債証券を売却して現金収入を得た」と説明した。

顧客から預かったデジタル資産は昨年9月30日の119億ドル(約1兆5,900億円)から12月31日には38億ドル(約5,085億円)まで減少したようだ。その一方で、12月31日時点でシルバーゲートは約46億ドル(約6,160億円)相当の現金と現金同等物を保有しており、これは顧客が同社に預けているデジタル資産の預金を上回っているという。

現金保持のため、2022年第4半期に52億ドル(約6,960億円)の債権を売却して現金収入とした。証券と関連するデリバティブの売却損益は7億1,800万ドル(約961億円)になったという。

また、12月31日時点でシルバーゲートは56億ドル(約7,495億円)の負債証券を保有しており、米国政府または政府機関の支援を受ければ売却することも可能だが、売れば約3億ドル(約400億円)の損失が出る可能性があるとしている。

今後については、暗号資産取引所FTXの破綻騒動を筆頭に最近の暗号資産業界の混乱に伴うシルバーゲートの事業の回復力を確保するためにいくつかの措置を講じていると述べている。その第1弾として、全体の40%にあたる従業員200人を解雇するという。退職金や給付金に充てられる費用は約800万ドル(約10億7,000万円)を見込んでいるようだ。

さらに、ディエム(Diem)から技術や知的財産(IP)を購入するために費やした1億9,600万ドル(約262億4,000万円)は減損処理するという。

シルバーゲートはデジタル資産業界の状況が大きく変化していることを考えれば、同社によるブロックチェーンベースの決済ソリューションの提供は差し迫ったものではないとしている。このことから、ディエムの技術を活用した事業は一時的に停止する見込みだ。

アラン氏は、「デジタル資産業界は大きな変革期にあり、過剰なレバレッジが原因で業界でも有名な倒産も発生した。これらはエコシステム全体へ信頼危機をもたらし、多くの業界参加者はリスクオフの立場に移行するようになった」と述べた。(提供:月刊暗号資産