この記事は2023年1月6日に「月刊暗号資産」で公開された「バイナンス、ビットコインのスポット市場で92%を占める レポートで判明」を一部編集し、転載したものです。


BINANCE
(画像=photo_gonzo/stock.adobe.com)

暗号資産(仮想通貨)分析会社のアルケイン・リサーチ(Arcane Research)は昨年発表したレポートで、2022年が大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)の年であったと報告した。

レポートでは、「バイナンス以外に2022年の明らかな勝者はいない。バイナンスこそが暗号資産市場そのものだ」と言及した。ビットコイン(BTC)のスポット取引市場は事実上バイナンスが支配していたとし、昨年12月28日時点で92%を占めていたという。

バイナンスは昨年1月時点では取引高シェアは45%であったが、7月から急激に取引量が増加した。その理由として、取引手数料を撤廃したことが大きいとアルケイン・リサーチは分析している。92%という数字は、2014年に破綻したマウントゴックス(Mt.Gox)まで遡らなければ見られないものであるという。また、バイナンスはビットコイン先物の取引でも市場の61%を占めていると説明している。

バイナンスは昨年、日本の暗号資産取引所サクラ・エクスチェンジ・ビットコイン(SEBC)やインドネシアのトコクリプト(Tokocrypto)など買収し、事業規模を拡大している。

2022年は暗号資産市場の市況悪化に伴い、クラーケン(Kraken)やコインベース(Coinbase)などの競合他社が従業員削減等に踏み切り事業縮小化を行ったのに対し、バイナンスはより多くの人員を採用している。2022年の従業員数は2倍の7,300人に達したという。

アルケインによると、バイナンスが2023年に取引手数料を再導入すれば、「バイナンスの市場支配という現状から脱却し、正常になる」としている。理由として、手数料の撤廃は顧客を引き付けることにつながるが、それを継続しながら利益を維持することは難しく、「収益を損なわずこの戦術を長期間取り続けることはまずできない」と述べている。その上で、アルケインはビットコインやイーサリアム(ETH)のスポット市場でバイナンスの優位性は低下するものの、バイナンスUSD(BUSD)の優位性は増すだろうと予測している。

一方で、バイナンスの暗号資産取引市場シェア率は昨年FTXの崩壊後50%以上となったが、BybitとOKXが年度末にシェアを獲得し始めたという。レポートによれば、BybitとOKXは市場シェアで2番目と3番目に大きな暗号資産取引所であり、それぞれ23%と20%を占める。

それでも、バイナンスの優位性は2023年になっても揺らぐことはないとしている。(提供:月刊暗号資産