モータリスト合同会社は、自社が正規輸入代理店を務めるオーストリア発KSRグループの取り扱うBRIXTON(ブリクストン)を日本導入すると発表した。ブリティッシュ・レトロとモダンをイメージした、オーストリア発のバイクブランドである。同社は、3月に開催されるモーターサイクルショーにて車両展示を行う予定だ。
BRIXTON、日本デビュー!
ブリティッシュ・レトロ&モダンをイメージしたオーストリア生まれの新興ブランド
欧州でのデビューから5年、満を持して登場
モータリスト合同会社(東京都大田区)が日本における正規輸入代理店を務めるオーストリアのKSRGroup GmbH。1916年の創業以来100年を超える歴史のある企業であり、オートバイ(モーターサイクル)ビジネスに進出して以降、様々なブランドのインポーター/ディストリビューターとして大きく成長、今や年間60,000台以上の販売台数を誇る、欧州における極めて存在感の高いモーターサイクル・セールス・カンパニーとして知られている。
2016年のLambrettaブランドの再興以来、日本におけるKSR Groupの総代理店として強いパートナーシップを結んできたモータリスト合同会社では、KSRが扱うブランドをそのブランディングと日本市場への適性、十分なサービス提供の可否などについて慎重に吟味しながら、徐々に販売を拡張させてきた。このほど取り扱いを開始するBRIXTON(ブリクストン)は、KSRが今後の成長に欠かせないコア・ブランドとして力を投入しており、モータリストもその販売店ネットワークと事前に協議を重ね、十分な自信をもって日本市場に紹介させていただくものだ。3月のモーターサイクルショーで実際の姿をご覧いただけることとなる予定。
BRIXTONとは
2018年のEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)でデビュー、2019年にラインアップを拡大し500㏄クラスを投入。コロナをはさんで2022年には1200㏄の2気筒エンジンを投入し、着実に成長を続けている、KSR Groupのコア・ブランド。イギリスの首都・ロンドンの南部に位置するBrixton地区からその名称を受けたブリクストンは、ビクトリア時代を象徴する多くの建物が残っていることでも知られながら、一方でロンドンのミュージック・カルチャーを代表する場所としても知られ、イギリスらしい古典的な美しさと、先鋭的なカルチャーとが共存する空間というイメージを併せ持ちます。
Brixton Motorcyclesは、イギリスの豊かな伝統を生かしつつ、真にモーターサイクルを「楽しむ」ライダーに向けて作りこまれたブランドです。そのコンセプトはあくまで「スローバック・スタイル」。モーターサイクルが鉄の馬として乗りこなされ、ホースバックスタイル・ライディングこそがトラディショナルで格好良いものだとしたら、それを実現するのがBrixtonのデザインなのです。クラシックなスタイルにインスピレーションされながら、モーターサイクルに求められる「自由」を標榜するブランドです。どこへでも、自分が思うままに向かいたい。そんな旅の友として、ブリクストンを選んでほしい。そういった願いがこのブランドにこめられ、育てられてきました。
KSR Groupはモーターサイクルビジネスの中核をなすブランドとして、ブリクストンを育てています。そのため、ラインアップも、ただ排気量を並べるのではなく、スタイルごとに個性を持たせた「ファミリー」を構成。同じオーストリアにある独立系のデザイン会社、RIDEとコラボレーションすることで美しいスタイルに磨き上げてきました。また、グループを代表するブランドとして、自社が取り扱うどのモデルよりも卓越したクオリティが自慢です。ブリクストンは中国にある3社のパートナー・カンパニーに委託生産させていますが、そのスタイルはもちろんブリクストン・オリジナル。品質管理はKSRAsiaの手によってきめ細かくコントロールされ、また技術開発もKSR自身の手によって進められています。最新の水冷1200㏄の2気筒エンジンは、KSRとその欧州のエンジニアリングパートナーによって開発されたオリジナルエンジンで、製造こそほかのエンジンと同様、中国で行われますが、KSRだけがその製品に搭載することのできるオリジナルエンジンなのです。このように、大きな投資によって深くコミットメントしているところも、KSRによるBrixtonへの力の入れ方を表しているといっていいでしょう。
ライダーがモーターサイクルを選び、そのブランドのファンになったとき、ライダーの成長とともに、ブランドがそのライダーの想いに合わせた商品を提供できなければ、ブランドからライダーは離れてしまいます。欧州に生まれている多くのブランドは、比較的安価に製造できる商品を中国をはじめとする第三国で製造し、欧州最大の市場である125㏄クラスに絞って様々な商品を提供しながら、結局は安さを最大の武器とするだけのブランドであり、伝統的に大排気量を製造してきたオリジナル・モーターサイクル・ブランドとは一線を画してきました。Brixtonはそうした傾向とは真逆の選択を行い、ブランドを育て、ライダーのブランド・ロイヤルティを向上させ、多彩なラインアップでライダーにとって飽きの来ない、長く付き合える、フルラインアップを擁するブランドとして育成されています。比較的新興のヨーロピアン・ブランドで、125㏄のようなビギナーズ・モデルから、500㏄といったミドルクラス、さらには1200㏄ものビッグマシンをすべてラインアップに持つブランドはほかにありません。Brixtonはこのラインアップによって、多くのライダーがブランドとともにモーターサイクルライフを楽しみ続けることを願い、また販売店がそうしたライダーを末永くサポートし続けることを願っているのです。
BRIXTONの2つのファミリー
Brixtonには「Classic Range(クラシック・レンジ)」と「Crossfire Range(クロスファイア・レンジ)」の二つの大きなファミリーで構成されています。クラシック・レンジは、Brixtonブランドのスタートとともに生まれ、そのクラシック・ブリティッシュ・スタイルをイメージするブランドネームを象徴しながら存在感を放ち、市場で鍛えられてきました。ただし、クラシックなイメージだけを持ち込んでいるわけではなく、その中にBrixtonの名を象徴する、ストリート・カルチャーのエッセンスを織り交ぜているのもその特徴の一つです。ブランドがスタートした時から125/250㏄クラスに5モデルをラインアップして「どのBrixtonも個性を放っているが、その個性を作り出すのも、ライダーだ」と宣言。ブランドはあくまでもライダーが表現するスタイルをサポートする存在であり、安定したクオリティがそれを支え、ライフスタイルを形作るのだ、というフィロソフィーを体現してきました。
現在のクラシック・レンジはさらにスポーティ・スタンダード・クラシックな「Cromwell(クロムウェル)」シリーズ、カフェレーサー・スタイルの「Sunray(サンレイ)」シリーズ、超個性的なストリート・スタイルの「Rayburn(レイバーン)」シリーズと、スクランブラー・スタイルの「Felsberg(フェルスベルク)」シリーズに分かれます。それぞれに明確な個性を与え、丁寧に作りこむことによって、ただ拡散するのではなくあくまでもBrixtonというブランドを構成する一員として、しかし多くのユーザーに選択肢を与えて楽しみ方を広げていくことができるラインアップを提供しているのです。
クロスファイア・レンジは、BrixtonのXの文字をアイコンとし、いわばブランドの「ロックンロール」、すなわちエッジの効いたバカ騒ぎから新たなるストリート・カルチャーの旗手となる意味をも込められた新しいスタイルが特徴です。フューエルタンクに象徴的なXをデザインしつつ、ボディ構成もそのXのエッジを生かしたスタイルとする個性は、他のモーターサイクルブランドではありえないデザインとして注目を集めています。エンジンラインアップもクラシック・レンジとは一線を画する水冷モデルを中心とし、新しいブランドイメージを支えているのです。
ラインアップ
Cromwell(クロムウェル)
クラシック・レンジの中心となるCromwellは、125/250/1200の3種のエンジンラインアップを誇ります。最量販機種の125㏄は空冷単気筒EFI。前後ディスクブレーキに2色のボディカラーを用意し、歯切れのよいエンジンと、まさにコンテンポラリーなクラシック・ブリティッシュ・スタイルを具現化したタンクデザインが特徴です。希望小売価格は¥495,000と破格。一方、250㏄は145㎏と軽量におさえられたボディを生かし、クラシック・スタイルながらストリートファイターとして車列の先頭を駆け抜けるパフォーマンスを得ています。空冷単気筒エンジンにはEFIが与えられ、前後輪のディスク・ブレーキはABSによって支えられます。2色のボディカラーはいずれも2トーン・デザインとし、丸みを帯びた美しいタンクの造形とともに、Brixtonにしかない所有感をそそります。この仕上がりで希望小売価格¥704,000はバーゲンプライスといってよいでしょう。
Brixton最大の排気量、1200㏄を擁する唯一のモデルが、クロムウェル1200です。Brixtonが開発した専用の水冷4サイクル並列2気筒エンジンは、1200㏄の排気量から108Nmものビッグトルクを、わずか3100rpmで発揮させるトルクフルな設定。美しくデザインされたツイン・エンジンは魅せることにこだわった外観がそそりますが、ただノスタルジックなだけではなく、ライド・バイ・ワイヤをはじめとする最新のテクノロジーでライダーを迎えます。どこまでも続く楽しみに満ち溢れたライディングを支えるためのクルーズコントロール、選べる2つのライディングモードにトラクションコントロール。足周りは前後KYB製のサスペンションユニットとピレリ・タイヤによってまとめられ、スポーティーでありながら表情のあるライディングエクスペリエンスを提供します。¥1,496,000の価格はその美しさと洗練されたテクノロジーからは想像できないほどのリーズナブルさ。家に帰ることを忘れたくなるほどの愉しみが、そこに控えています。
Sunray(サンレイ)
125㏄に、ミニマムクラスとは思えないほどの作り込みを与えたカフェレーサーが、サンレイ。エンジンこそ空冷単気筒EFIを共有しますが、低く構えたハンドルバーとバーエンドミラー、前後17インチのややファットなタイヤ、シングル・シートを想起させるエルゴノミクスにピンと跳ね上がったマフラー。メーカーが創る洗練されたクラシック・カフェ・レーサースタイルが¥528,000とこれまたリーズナブルに手に入ります。
Rayburn(レイバーン)
他に例を見ないクラシック・ボバー・スタイルが、レイバーンの個性です。サイドカバーには小ぶりのレザー・バッグを備え、個性的なスプリング・スタイルのシングル・シートが乗り手にさえそのスタイルを受け入れられる覚悟を迫るかのようないでたちとなって、まとめ上げられました。¥594,000はそのツートーン・カラーの燃料タンクやスタイルを考えれば安すぎるほど。多くのライダーにクルーザー・スタイルではない「クラシック・ボバー」に注目し、ファクトリー・カスタムならではの洗練されたスタイルを知っていただきたい、そんな願いも込められているのです。
Felsberg(フェルスベルク)
クラシック・ブリティッシュをイメージするBrixton Classicsのラインアップの中にあって、ドイツ中部の丘陵と砂礫の町、フェルスベルクと名付けられたシリーズには違和感を覚えるかもしれません。ストリート・カスタムがブリクストン・クラシックスの正統派ならば、そこに連なるストリート・スクランブラーがフェルスベルク・シリーズなのです。道の終わりからライディングが始まる。そう位置づけられたフェルスベルクには、もっともスタンダードな125を希望小売価格¥440,000からスタートさせる親しみやすさを提供しつつ、さらにダートライディングの愉しみを想起させる125XC(¥495,000)を用意。加えて、250㏄クラスにはフラットトラック・ダートライディングをイメージさせる250FT(¥682,000)を用意しています。
Crossfire(クロスファイア)
クラシック・レンジが伝統的なブリティッシュ・ストリート&スクランブラーをイメージしているのに対し、クロスファイア・レンジはBrixtonの“X”をアイコンにデザインされたスタイルに統一させてラインアップを構成します。数学の未知数を表す”X”には、未知であること、多様性を表すもの、エッジの効いたもの、といった意味が持たされています。クロスファイア・レンジには、Brixtonブランドの未来を担う商品群という位置づけが与えられ、その個性あふれるスタイリングはまさにほかに似たもののない、ブランドを代表するものと言えるでしょう。シリーズの末弟となる125XS(¥396,000)は、唯一の空冷エンジン搭載モデルでもあります。コンパクトにまとめられたボディながらもフューエルタンクはシリーズ共通のXをデザイン。前後12インチのタイヤは敏捷なハンドリングを約束し、凝縮感にあふれるスタイルは、サイズだけがモーターサイクルのクラスを決めたり楽しさを制限するものではないことを主張しています。一方、同じ125㏄ながら水冷エンジンを搭載するCrossfire 125(¥605,000)は、そのパワフルさを武器に全く斬新なカフェ・レーサースタイルを提案します。上位モデルと同様の伸びやかなデザインはとても125㏄とは思えないほど。細部まで作りこまれ、高級感溢れるモデルです。強大となるのがCrossfire 500(¥1,100,000)です。水冷DOHC2気筒エンジンを搭載し、KYB製アジャスタブル・サスペンションや、スーパーバイクで知られるJ.Juan製の前後ブレーキシステムがおごられたシャシーは、そのパワフルな走りを心地よく受け止めます。デビュー当時、ヨーロッパのデザインアワードを獲得、激賞された伸びやかなデザインは、古くなることを知らない、将来に通じる美しさにあふれています。500X(¥1,155,000)はそのストリート・カフェ・スタイルをややリラックスさせた仕様。幅の広いハンドルバーが与えられ、前後フラットなスタイルのシートが用意されて、ブロックの大きなピレリMT60タイヤが装備されています。ストリートを超えて、ラフロードにも立ち入ってみよう、そう定義づけられたXをさらに奥深くへと誘うのがXCモデル(¥1,298,000)。ストロークを伸ばしたサスペンションに19インチタイヤを組み合わせ、アップ・フェンダーを装備したスタイルは、その優れたハンドリングとともにラフロードをストリートの様に駆け抜けさせます。タンクパッドにサイドゼッケンプレート、ウィンドシールドやクラッシュバー、ラジエーターガードなど、装備も充実。洗練されたスタイルと、オフロードとの意外な組み合わせが斬新です。
KSRグループとは
1916年にオーストリアの首都、ウィーンから1時間ほど西に位置するクレムス(Krems)で貿易商としてスタートを切ったのが、現在のKSRグループを率いるキルシェンホファー(Kirschenhofer)兄弟の曽祖父でした。ワイン畑と、それをはぐくむ風光明媚な土地として知られるクレムスで、地元に、そしてオーストリア全土への商品供給を行う卸売商として、ウォータージャグや電子レンジのような家庭用電気などを中心に、ビジネスを広げてきました。モーターサイクルビジネスに手を広げたのは、現在のKSR グループの代表を担う兄弟、クリスティアン(1972年生)とミヒャエル(1974生)が会社を引き継いでからになります。クリスティアンが自分のバイクをカスタマイズしたりチューニングしたりとガレージワークに精を出す一方、ミヒャエルはオフロードバイクに親しみながら育ち、ともにモーターサイクルへの深い親しみを経験として家族経営の会社に入社したのです。彼らにとって、自分たちの商材にモーターサイクルを加えることは自然な流れでした。1996年からKSRグループはモーターサイクルビジネスをスタートさせ、徐々にディストリビューターとして経験を積みながら、販売網を築き上げていきます。その後2004年には自社ブランド、KSRを名乗るオリジナルモーターサイクルをOEM商材として導入。商社時代に培ったアジアの国々とのコネクションを生かし、またそのスタイリングはKTMのデザインを手掛けていることでも知られる同じオーストリアのKISKAに依頼してのスタートとなったのです。
OEMプロジェクトは、アジアにおけるKSRグループのネットワークを強化することにつながり、2008年には中国最大の二輪メーカーで、4輪のオフロードビークルも製造するCF Motoのインポーターとなるきっかけにもなりました。2013年までの間、KSRグループはそうしたディストリビューターとしてのネットワークを欧州全土に築くことに専念、最初の子会社(販売会社)をフランスに創業し、その後ギリシャ、イタリア、スペイン、スイス、ベルギー、オランダ、と各地に子会社を広げていきます。モーターサイクルビジネスは2014年にRoyal Enfieldの輸入権を獲得したことでさらに広がり、ついでBenelli、Malagutiと拡大していきます。OEM商品はKSRをグループ統合名の象徴とするため終了してオリジナル商品の製造をいったん途切れさせますが、2016年にイノチェンティと共同出資してLambrettaを再興させ、さらにMotronをかつてのOEM商品の受け皿としてオリジナルブランド化し、ラインアップを拡充していきました。
今日では、KSRグループは年間販売約70,000台と欧州最大のディストリビューター/ディーラーとなり、取り扱
いブランドも10を超える一大モーターサイクルビジネスへと成長しています。日本におけるKSRグループのディストリビューターである当社、モータリストをはじめ、世界各国に45のインポーターを擁するネットワークを築き上げたのです。なお、KSRグループは祖業である白物家電を今もなお「スマートプロダクツ」として家電から健康器具、ガーデニング、小型モビリティなどに広げ、多くのラインアップを展開しているほか、マスクなどの衣料製品、さらにはその経験を生かしたブランディングコンサルタントやデザイン、エンジニアリング、マーケティングを請け負うビジネスを展開するなど、マルチプレイヤーとして活躍する企業に成長しています。
KSRにとってのBrixtonビジネスとは
2022年11月のEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)。KSRのブースはBrixtonとMalagutiの2つの主力ブランドに集中しました。KSRにとっては、単なるディストリビューターからブランドを買い取って今後新しいラインアップを加えながら拡大していこうというMalagutiと、自身がスタートさせ、フルラインアップを擁するブランドとして世界のマジョリティーを目指すBrixtonの2つのブランドこそが、今後最も注力していくブランド、という象徴でもあったのです。
現在、BrixtonやMalagutiは、KSR社内のエンジニア・グループが、クレイグ=デント率いるオーストリアのデザイン・スタジオ、ライド(RIDE)と協働してモデルコンセプトからスタイル、クレイモデルの制作までを請け負っています。RIDEの代表、クレイグ=デント(Craig Dent)はKISKAで長らくモーターサイクルデザインのグループリーダーを務め、125Dukeをはじめとして世界で高い評価を得てKTM躍進のきっかけとなったモデルのコンセプト作りからスタイル、マーケティングまで一手に担ってきたことで知られています。KISKA在籍時からLambrettaのデザインでKSRグループとの縁が生まれ、自ら立ち上げたRIDEでKSRグループのスタイリングを統括することで、Brixtonの統一感あふれる、個性的なスタイルが実現したのです。
KSRグループはBrixtonのために2017年、R&Dセンターを創設。ディストリビューターから真の意味でのメーカ
ーへの脱皮の始まりでもありました。とはいえ、Ducati、Moto Guzzi、Triumphといった強力なライバルがひしめき合うヨーロッパで、新しいブランドが大排気量を含むフルラインアップを築き上げることは容易ではありません。
まず、品質の確保は当然のことであり、新興とは言え他ブランドを超える品質(見た目だけではなく、作り込みを含めた品質)が絶対であることは間違いのないところです。アジアのパートナー企業との協業でブランドを立ち上げたBrixtonにおいても、これを確保する為に「200-250ものモーターサイクル関連企業、メーカーがあるアジアの中で、我々のパートナーとなりうるメーカーはわずか5社に満たなかった」とミヒャエル=キルシェンホファーが言うほどに、パートナーを絞り込んでのブランドスタートになりました。
さらに、歴史のない新興ブランドとしてのイメージ作りは極めて重要です。モーターサイクルスタイリングと、ブランドネーム、ブランドロゴを生かしながら作りこまれ、イメージリーダーとなった“X”は、こうして生まれました。ブランドを成長させるためのマーケティング戦略と、水冷500㏄ツイン・エンジンを搭載するクロスファイアとのつながりから、Brixtonのフルラインアップ戦略が始まったのです。これはまた、林立する小排気量中心の多くのヨーロピアンブランド(そのほとんどが製造は中国や東南アジア)とは全くスタイルを異にするものでもありました。
Brixtonは、ストリートモデルであり、ストリートスクランブラーである、というブランドポリシーを誇っています。今も、今後も、レーシングモーターサイクルやラリーマシンを作る予定は一切ありません。ブランドにとって最も重要なことは「自宅の庭さき、ガレージからスタートして、楽しく走り、良い思い出を残す。モーターサイクリングのすべてがそこに詰まっています。レースを否定するものではないし、例えばクロスファイア125ならそうしたポテンシャルも備えていますが、私たちが目指しているのは、美しいモーターサイクルで、素晴らしい走りを楽しみ、思い出を作ることなのです。このフィロソフィーを変えることはありません」とミヒャエル=キルシェンホファーは語っています。
このコンセプトのもとに作りこまれた1200㏄の水冷ツインエンジンは、クロムウェルのトップレンジに搭載されました。36ヵ月の開発期間を経て自らの手で作りこまれ、同じエンジンを他社には供給しないという新型エンジンは、まさにこうしたBrixtonにこめられたKSRの想いが詰まったものでもあるのです。
日本におけるKSR
日本では私たちモータリスト合同会社が、KSRグループの持つすべての商品の独占販売権を有しています。モータリストはランブレッタ・ブランドが2016年に復活したときからKSRグループと信頼関係を築き上げてきました。
現代のランブレッタのスタイリングを担当したKISKAとは、モータリスト創業前から直接ビジネスの縁があったこともあり、両者が深く結ばれていくことは自然な流れでもあったのです。2018年にはランブレッタの日本への導入を開始。モダン・クラシック・スクーターを伝統の名とともに徐々にマーケットに浸透させてきました。ランブレッタはモータリストによる品質改良の提案も柔軟に受けながら成長し、2023年にはいよいよラインアップを拡大する予定です。
モータリストでは2021年後半にはマラグーティの本格復活に合わせ、徐々に導入を進めています。マラグーティはKSRがブランドをマラグーティ家から買い取り、オリジナルブランドとしてラインアップを拡大していく方向でブランディングを進めています。日本でも最初のプレミアム・スクーター、MISSION 125/200がすでに投入され、その作りの良さが高く評価されています。
Brixtonの導入は、モータリストにとってはKSRグループの3つ目のブランドということになります。Brixtonの投入によって、モータリストはスクーターから1200㏄まで、オフロードからストリートまでと極めて幅広いモデルラインアップを有するモーターサイクル・ディストリビューターとなります。モータリストが持つ長年のモーターサイクルの輸入、サービスの提供、遊びの提供の経験が、モータリストが提供する商品を扱う販売店の支えとなり、多くのお客さまにモーターサイクルライフをお楽しみいただける礎となっていくよう、今後も全力を尽くしてまいります。
BRIXTON DEALERS(ブリクストン取扱正規販売店)
Brixtonは日本導入当初から、モータリストのコアな販売店が販売店として在庫を用意してお客様をお迎えします。今後ももちろん継続して販売店を用意させていただくほか、お客様がお求めになる販売店でご購入いただけるよう商品を用意させていただきますが、ここで紹介させていただくイニシャル・ディーラーがBrixtonの販売の中心として、またBrixtonをよく知り、試乗車を用意し、安心のサービスを提供させていただけるトップディーラーとなって参ります。
秋田県:カマダサイクルEx (018-883-1853)
010-1612 秋田県秋田市新座豊町4-17
東京都:iS Motorcycle (03-3737-1811)
146-0094 東京都大田区東矢口3-31-14
ベアー世田谷 (03-3429-8181)
東京都世田谷区世田谷2-10-11
神奈川県:M’s Factory (044-750-1515)
211-0034 神奈川県川崎市中原区井田中ノ町43-3
石川県:バイク市場 きゃぷてん (0767-28-8198)
929-1304 石川県羽咋郡宝達志水町南吉田ろ-36-1
兵庫県:S motorcycle (0798-72-9477)
662-0863 兵庫県西宮市室川町5-26-103
広島県:モトエスエックス (082-962-1760)
731-0124 広島県広島市安佐南区大町東1-2-18
福岡県:4ing Custom Pro Shop (0930-55-6419)
824-0033 福岡県行橋市北泉4-1-1
Brixton ― 日本導入モデルのモデル名、スペック、カラー、価格
CLASSIC RANGE(クラシック・レンジ)
CROMWELL(クロムウェル)
Cromwell 125(クロムウェル125)
寸法(全長x全幅x全高xシート高):2020x870x1105x770㎜
エンジン:空冷SOHC124㏄単気筒EFI
ブレーキ:前後ディスク(CBS)
最高出力:8.2kw(11HP)@9000rpm
最大トルク:9.7Nm@6500rpm
カラー:サブマリンイエロー、ティンバーウルフグレー(2色)
希望小売価格:450,000円(495,000円/10%消費税込)
Cromwell 250(クロムウェル250)
寸法(全長x全幅x全高xシート高):2020x850x1105x770㎜
エンジン:空冷SOHC249㏄単気筒EFI
ブレーキ:前後ディスク(ABS)
最高出力:12.6kw(17HP)@7500rpm
最大トルク:16.5Nm@6500rpm
カラー:デザートゴールド&クロックワークオレンジ、チタンブラック&スターリンググレー(2トーンx2色)
希望小売価格:640,000円(704,000円/10%消費税込)
Cromwell 1200(クロムウェル1200)
寸法(全長x全幅x全高xシート高):2180x800x1115x800㎜
エンジン:水冷SOHC1222㏄並列二気筒EFI
ブレーキ:前Wディスク/後ディスク(ABS)
最高出力:61kw(83HP)@6550rpm
最大トルク:108Nm@3100rpm
カラー:バックステージブラック、カーゴグリーン、ティンバーウルフグレー(3色)
希望小売価格:1.360,000円(1,496,000円/10%消費税込)
SUNRAY(サンレイ)
Sunray 125(サンレイ125)
寸法(全長x全幅x全高xシート高):2020x760x1060x780㎜
エンジン:空冷SOHC124㏄単気筒EFI
ブレーキ:前後ディスク(CBS)
最高出力:8.2kw(11HP)@9000rpm
最大トルク:9.7Nm@6500rpm
カラー:ビュレットシルバー(1色)
希望小売価格:480,000円(528,000円/10%消費税込)
RAYBURN(レイバーン)
Rayburn 125(レイバーン125)
寸法(全長x全幅x全高xシート高):2020x760x1060x790㎜
エンジン:空冷SOHC124㏄単気筒EFI
ブレーキ:前後ディスク(CBS)
最高出力:8.2kw(11HP)@9000rpm
最大トルク:9.7Nm@6500rpm
カラー:ロイヤルブルー(マット)&ホライゾンブルー/ビレットシルバー&ティンバーウルフグレー(2トーンx2色)
希望小売価格:540,000円(594,000円/10%消費税込)
FELSBERG(フェルスベルク)
Felsberg 125(フェルスベルク125)
寸法(全長x全幅x全高xシート高):2020x870x1105x770㎜
エンジン:空冷SOHC124㏄単気筒EFI
ブレーキ:前後ディスク(CBS)
最高出力:8.2kw(11HP)@9000rpm
最大トルク:9.7Nm@6500rpm
カラー:カーゴグリーン、ティンバーウルフグレー、バックステージブラック(3色)
希望小売価格:400,000円(440,000円/10%消費税込)
Felsberg 125XC(フェルスベルク125 XC)
寸法(全長x全幅x全高xシート高):2070x850x1120x820㎜
エンジン:空冷SOHC124㏄単気筒EFI
ブレーキ:前後ディスク(CBS)
最高出力:8.2kw(11HP)@9000rpm
最大トルク:9.7Nm@6500rpm
カラー:クイックシルバー(1色)
希望小売価格:450,000円(495,000円/10%消費税込)
Felsberg 250 FT(フェルスベルク250FT)
寸法(全長x全幅x全高xシート高):2050x850x1120x750㎜
エンジン:空冷SOHC124㏄単気筒4バルブEFI
ブレーキ:前後ディスク(CBS)
最高出力:12.6kw(17HP)@7500rpm
最大トルク:16.5Nm@6500rpm
カラー:ティンバーウルフグレー、バックステージブラック(2色)
希望小売価格:620,000円(682,000円/10%消費税込)
CROSSFIRE RANGE(クロスファイア・レンジ)
Crossfire 125XS(クロスファイア 125XS)
寸法(全長x全幅x全高xシート高):1690x780x990x760㎜
エンジン:空冷SOHC124㏄単気筒EFI
ブレーキ:前後ディスク(CBS)
最高出力:8.2kw(11HP)@9000rpm
最大トルク:9.7Nm@6500rpm
カラー:クロックワークオレンジ、カーゴグリーン、バックステージブラック(3色)
希望小売価格:360,000円(396,000円/10%消費税込)
Crossfire 125(クロスファイア125)
寸法(全長x全幅x全高xシート高):2077x765x1045x810㎜
エンジン:水冷DOHC124㏄単気筒EFI
ブレーキ:前後ディスク(ABS)
最高出力:10.0kw(13.6HP)@9500rpm
最大トルク:11.4Nm@7500rpm
カラー:ビュレット・シルバー、チャーリーブラウン(2色)
希望小売価格:550,000円(605,000円/10%消費税込)
Crossfire 500(クロスファイア500)
寸法(全長x全幅x全高xシート高):2117x757x1116x795㎜
エンジン:水冷DOHC486㏄並列二気筒EFI
ブレーキ:前後ディスク(ABS)
最高出力:35kw(47.6HP)@8500rpm
最大トルク:43Nm@6750rpm
カラー:ビュレット・シルバー、ロイヤルブルー、バックステージブラック(3色)
希望小売価格:1,000,000円(1,100,000円/10%消費税込)
Crossfire 500X(クロスファイア500X)
寸法(全長x全幅x全高xシート高):2097x851x1116x795㎜
エンジン:水冷DOHC486㏄並列二気筒EFI
ブレーキ:前後ディスク(ABS)
最高出力:35kw(47.6HP)@8500rpm
最大トルク:43Nm@6750rpm
カラー:ビュレット・シルバー、バックステージブラック(2色)
希望小売価格:1,050,000円(1,155,000円/10%消費税込)
Crossfire 500XC(クロスファイア500XC)
寸法(全長x全幅x全高xシート高):2164x851x1203x839㎜
エンジン:水冷DOHC486㏄並列二気筒EFI
ブレーキ:前後ディスク(ABS)
最高出力:35kw(47.6HP)@8500rpm
最大トルク:43Nm@6750rpm
カラー:デザートゴールド(1色)
希望小売価格:1,180,000円(1,298,000円/10%消費税込)
リリース提供元:MOTORISTS合同会社