総括
FX「22年の高値に近づく。円安、郷里送金、ニアショアリングがペソを支える」メキシコペソ見通し
予想レンジ 7.3-7.8
(ポイント)
*2022年は最強通貨、2023年もここまで最強
*年初来高値7.559をつけ、昨年の高値7.578に近づく
*ボルサ株価指数は年初来10.04%高
*4Qの経常収支は赤字から黒字へ転換
*2月前半インフレは低下、次回政策金利は利上げ幅縮小か
*経済指標は好調
*上昇継続。郷里送金とニアショア投資の二本柱がペソを支える
*1月ニアショア投資は25億ドル
*1月としては過去最高の自動車生産
*政策金利は予想外の0.5%利上げ
*IMFは2023年成長見通しを上方修正
*4Q・GDPは前年比で3.6%増
*2022年郷里送金は13.4%増
*国内経済は2022年に約3%拡大
(年初来高値を更新)
年初来の高値を更新、対円で7.559をつけた。1月に続き、2月も月間最強通貨となった。昨年の高値の7.578にも近づいてきている。円安と郷里送金とニアショア投資がペソを支える。それを反映してか、4Qの経常収支は3Qの51.51億ドルの赤字から45.76億ドルの黒字へと転換した。ただ1月貿易収支は41.25億ドルの赤字となった。うち石油輸出は8.9%増の27.12億ドル、一方、石油輸入は20.6%の55.51億米ドルでメキシコはOPEC+にする産油国だが石油貿易では赤字だ。
(次回金融政策決定では利上げ幅縮小か)
メキシコ中銀の2月決定会合の議事録では、政策担当者の多くが次回3月の会合で利上げ幅縮小が可能と考えていることが分かった。2月前半インフレは前年比8.38% 前回は8.45%、コアは7.76% 前回は7.94%と小幅低下した。前回の会合では中銀が予想の0.25%利上げではなく0.5%の利上げに踏み切ったのは1月消費者物価の上昇があった。次回はFOMCの政策金利決定が3月22日に行われてから、3月30日にメキシコの政策金利決定となる。その他の指標では12月小売売上は前年比2.5%増で前月の2.4%を上回ったが、予想の3.2%を下回った。
(メキシコ中銀総裁発言)
米国の経済成長は鈍化すると予想され、それがメキシコ経済の減速につながるが、メキシコが不況に陥るとは予想されていない。
・ 2023 年の経済成長予測を 1.8% から 1.6% に引き下げ。
・2024 年の経済成長予測を 2.1% から 1.8% に引き下げた。
・利上げのペースを遅くすることを検討する可能性がある
(経済指標は好調)
経済指標は強いものが続く。ニアショアリング進展を表す
・2月企業信頼感指数52 前回50.2
・2月製造業PMI 51 前回48.9
テクニカル分析
日足、昨年の高値に近づく。週足、6週連続陽線
日足、7.559をつけ、年初来更新、昨年の高値7.578にも近づく。ボリバン2σ上限の7.651には余地あり。3月1日-2日、2月24日-3月1日の上昇ラインがサポート。22年10月21日-23年3月2日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、6週連続陽線。ボリバン2σ上限に近づく。5週線が20週線を上抜く。
2月6日週-13日週の上昇ラインがサポート。10月17日週-11月7日週の下降ラインを上抜いている。
月足、1月、2月は陽線。1月-2月の上昇ラインがサポート。10月-11月の下降ラインがを上抜く。5か月線、20か月線は上向き。
年足、連続陽線も22年は上ヒゲが長い。21年-22年の上昇ラインがサポート。14年-22年の下降ラインが上値抵抗。
VAMOS MEXICO
2023年郷里送金堅調スタート、メキシコペソ支える
海外からメキシコへの1月の送金額は前年同月比12.5%増の44億600万ドル。1月としては過去最高を更新。1月は送金額が落ち込む傾向がある中、堅調な水準を維持した。