On-feet Nike Air Jordan I Black White on wet surface illustrative editorial
Philipp Berezhnoy / stock.adobe.com、ZUU online

近年、“異色のオルタナティブ投資対象”として注目を集めているのがスニーカーである。レアスニーカーやトレーディングカードなどに特化したオンライン・マーケットプレイス「Stock(ストック) X」が、北米のスニーカー転売市場規模を年間100億ドル(約1兆3,586億円)と推測する一方で、米株式リサーチ企業Cowen Equity Research(コーエン・エクイティ・リサーチ)は2023年までに世界市場が300億ドル(約4兆758億円)規模に達すると予想する(「Apple Backed Kickstroid App Sneakerheads Lowdown On Those Rare LeBorn James Kicks」(Techxplore))。このような中、レアスニーカーに少額投資できるプラットフォームも登場するなど、“スニーカーの資産化”が加速すると期待されている。

数日間で6~7倍に値上がりも?

「スニーカー投資」とは、将来的にプレミアがつきそうなモデルを購入し、市場価格が上がったところで売却して利益を得るというもの。

「コレクション感覚で投資できる」「リアルアセット(実物資産)として価値がある」など、ワインやクラッシックカーなどのコレクション投資と共通点がある。その一方で、「ファッションやカルチャー(文化)的要素が強い」「投資の知識がなくても(プレミアがつけば)利益を得られる」といった理由から、投資の対象というより転売ビジネスと受けとめられる風潮があるようだ。

実際、市場の急成長の原動力となっているのはスニーカー愛好家や若い世代で、中には「数年前に何気なく購入したモデルにプレミアがついた」「単に副収入を得たい」など、投資意識が低いケースも見られる。

対象となるスニーカーはサザビーズのような老舗オークションで取引される数百万ドル級のものから、Bayなどのフリマやコレクターズアイテム専用のプラットフォームで転売される手頃な価格のものまでさまざまだ。

とはいうものの、投資として利益を得るためには、将来的に高いプレミアがつく(かもしれない)スニーカーを予想し、入手、保管する必要がある。高騰しやすいモデルは有名ブランドの限定品や著名人とのコラボ商品など、希少価値の高いものだ。

たとえば、2009年に960ドル(約13万円)で発売されたルイ・ヴィトンと米ミュージシャン、カニエ・ウェストのコラボスニーカーは2023年3月3日現在、「Stock X」で6,100ドル(約83万円)で転売されている(「How collecting sneakers became a multi-billion-dollar industry」(CNN))。14年間で530%の値上がりだ。

話題になっている人気モデルであれば、発売後わずか数日間で6~7倍に値上がりするものもある。

2020年に100ドル(約1万3,597円)で発売された米アイスクリームメーカー、Ben&Jerry'sとNIKEのコラボ「SB Dunk Low Chunky Dunky」は、発売数日後に最大1,700ドル(約23万円)で転売された(「Are Sneakers The New Stock Market?」(Sortter))。

著名人が実際に着用したなど、付加価値の高いスニーカーはさらに価値が上がる。 「バスケットボールの神」の異名をもつマイケル・ジョーダンが最も初期のレギュラーシーズンの試合で使用したNIKEの「Airship」は、2021年のサザビーズのオークションで147万ドル(約1億9987万円)で落札された(「The Most Expensive Sneakers Ever」(EDGAR))。

1ドルから利用可能! スニーカー投資プラットフォーム

スニーカー投資の活況を追い風に、スニーカー投資に特化した投資商品も続々と登場している。スニーカーの専門知識や転売経験がなくても、気軽に投資できる点が魅力だ。以下の米オルタナティブ投資プラットフォームは、世界のレアスニーカーに少額から投資できる機会を提供している。

スニーカー版ETF「Public.com」

「Public.com(パブリック・コム)」は、1985~2019年までに発売された77種類のアイコニックでレアなスニーカーで構成されたスニーカー版ETF(上場投資信託)「Rare Sneaker Portfolio」をローンチした。

時価総額50 万ドル(約6,809万円)を超えるポートフォリオには「NIKE Air Jordan Original 85」や世界で2足しか生産されなかった「Nike Air Force 1 x Jay-z France」など、単独で投資するには高額な商品も含まれているにもかかわらず、1口わずか65セント(約88円)から投資できる。

現在までに77万口以上を販売しており、2023年中に追加ポートフォリオのローンチを計画している(「Investing Platform Public Debuts Rare Sneaker Portfolio」(Business Wire))。

スニーカーのIPO化に挑む「Rares」

世界初のレアスニーカーのIPO化(上場投資信託)に挑むのは、米スニーカー投資/売買プラットフォーム「Rares(レアズ)」だ。

投資家はポートフォリオの中から選んだレアスニーカーのシェア(持ち分の権利)を保有する。現在のポートフォリオは新品の「NIKE 1985 Air Jordan (評価額4万5,000ドル/約612万円)」が1口30ドル(約4,068円)、元プロバスケ選手、コービー・ブライアントとのコラボ「Air Jordan Kobe Pack(評価額3万ドル/約408万円)」が1口20ドル(約2,712円)など、NIKEと著名ミュージシャンやNBA選手、デザイナーのコラボ商品が中心だ。1ドル(約136円)から投資できるものもある。

ちなみに同社は2021年、NIKEとカニエ・ウェストのコラボスニーカー「Air Yeezy 1」のプロトタイプを、サザビーズのプライベートセールを介して180万ドル(約2億4,409万円)で落札し、スニーカー・オークション価格の記録を更新した(「Kanye West's Nike Air Yeezy 1 Prototype Sells For $1.8 Million」(Rolling Stone))。

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スニーカー市場の流動性が極めて高く、持続的に成長しているという視点から見ると、スニーカーが新たなオルタナティブ資産の地位を確立する可能性は高い。オルタナティブ投資にも変化の波が押し寄せている今、さらに注目度が高まりそうな分野である。

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