テイスティングの仕方

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(画像=「whiskeen」より引用)

プロのテイスティングの仕方として、メイヴィル氏は次のように解説してくれました。

【ノージング】

  • 最初に来る香り(トップノート)を確かめる
  • グラスを回して手のひらで温める(それを「するな」という人もいるので、各自の判断で)
  • 鼻筋のところに香りが立ち上るように、少し唇を付けるような形でノージングする

【テイスティング】

  • 1回口に含んで口蓋全体をならした後、1分後に繰り返す
  • 口蓋全体に液体を回し、ウイスキーの持つさまざまな味わいや表情を感じとる

「最初にすする一口目は、口をバーボンにならすということです。そのあとの一口で実際のバーボンの持つ特徴が味わいとして感じられます。」とのことでした。

試飲した5種のバーボン

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(画像=「whiskeen」より引用)

セミナーで試飲したバーボンは、以下の5種類です。

  • アーリータイムズ ゴールドラベル
  • バッファロートレース
  • スタッグ
  • ジョージ・T・スタッグ
  • パピー・ヴァン・ウィンクル 15年

銘柄の説明と、試飲した感想を紹介します。

アーリータイムズ ゴールドラベル

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(画像=「whiskeen」より引用)

「アーリータイムズ ゴールドラベル」は、試飲会当日がデビュー日という新作のバーボン。

メイヴィル氏によると「『アーリータイムズ ゴールドラベル』はケンタッキーのストレートバーボンウイスキーで、わが社独自の技術と酵母を使っています。私たちのバーボンを情熱的に愛する方たち向けたもので、ストレートでも、オンザロックでもハイボールでも、どのようなオケージョンでも完璧に楽しめる飲み物です。」とのこと。

アルコール度数は40%、トウモロコシ比率は79%です。

試飲するとバニラ香、アプリコットをはじめとする果実香、ライ麦由来のスパイシーさが感じられ、非常に完成度の高いバーボンでした。

時間がたって空気に触れると甘みが増し、オールドバーボンのような麦々しい甘さが感じられます。

加水してトワイスアップにするとますます甘くなり、これまで飲んだ「アーリータイムズ」の中でも群を抜いておいしいと感じました。

構成原酒の熟成年数が気になり尋ねたのですが、そこは「企業秘密」とのことでした。

バッファロートレース

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(画像=「whiskeen」より引用)

バッファロートレース蒸留所のフラッグシップ・バーボンで、1999年にリリースされました。

原酒の熟成年数に関して、メイヴィル氏は「大体、8年ということを念頭に入れて造り続けております。」と教えてくれました

レシピは、「ジョージ・T・スタッグ」や「イーグル・レア」と同じ「RYE MASH ♯1」というマッシュビルを採用しているそうです。

試飲するとバニラ、桃のような甘い果物、ラムといった、甘い香りが感じられました。

あんずや焼き菓子、キャラメルの甘さもあり、刺激の奥には、革、アニスといったニュアンスも。

甘さ、スパイシーさ、樽のウッディな風味といったものがバランスよく感じられるおいしいバーボンでした。

スタッグ

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(画像=右3本が「スタッグ」、右から4番目が「ジョージ・T・スタッグ」、「whiskeen」より引用)

右3本が「スタッグ」、右から4番目が「ジョージ・T・スタッグ」

「スタッグ」は今春発売予定のケンタッキーストレートバーボンで、ノーカット・ノンチルフィルター、アルコール度数は65.5%です。

「はじめに警告しておきます。アルコール度数がとても高いです。爆発のような刺激ですから、最初の一口はほんのわずかだけ、口に入れてください。アルコール度数が高いために、非常に強い、大胆なフレーバーが感じられます。」とメイヴィル氏。

香りをかぐと目にアルコールの刺激を感じ、飲む前から度数の高さが伝わってきます。

試飲一口目は、舌がびりびりする感覚があります。

慣れてくると、ダークチョコレートの品のよい甘さ、スパイシーさを感じました。

余韻は長く、力強いバーボンの風味がじっくり楽しめるクオリティーの高いウイスキーです。

ジョージ・T・スタッグ

「ジョージ・T・スタッグ」はバッファロートレース アンティークコレクションのひとつで、日本では今春発売予定です。

アルコール度数は69.4%で、メイヴィル氏は「生産数が限定的で、アメリカでもなかなか手に入らないバーボンです。これは2007年に春に蒸留され、15年間と5カ月熟成し、2022年にボトリングされました。」と解説。

試飲すると、ハチミツ、バニラ、シナモン、ダークチョコといった複数のフレーバーが次々と押し寄せてきました。

スパイシーさ、レザー、コーヒー豆のような風味も感じられ、余韻が途切れません。

口当たりも大変滑らかでクリーミーな、非常においしいバーボンでした。

アメリカ市場では大体2,000ドルから3,000ドルとのことで、日本円にすると27万~40万円(※2023年2月時点で換算)という高級バーボン。

日本発売時の価格はオープンプライスですが、どのくらいの価格で販売されるのか気になるところです。

パピー・ヴァン・ウィンクル 15年

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(画像=右から3番目のボトルが「パピー・ヴァン・ウィンクル 15年」、「whiskeen」より引用)

ライ麦の代わりに小麦が使われているバーボンで、長期熟成バーボンとしても有名な銘柄が「ヴァン・ウィンクル」です。

世界でもっとも手に入らないバーボンのひとつといわれています。

「パピー・ヴァン・ウィンクル 15年」は、ケンタッキー州において新樽で15年間熟成した小麦バーボンで、アルコール度数は53.5%。日本では今春発売予定です。

メイヴィル氏は「ライ麦が入っていませんから、胡椒のようなスパイシーさはありません。やわらかなキャンディコーン、バター、バニラも感じられますし、キャラメル、スパイスの香りもいたします。ダークチョコレート、皮の色の濃いフルーツ、レザー、革のような味わいもあります。」と説明。

さらに、「15年間触れていた樽からくる甘さや香りも感じられます。最後はシナモンのような余韻があります。」と解説してくれました。

試飲すると、バターのような濃厚さはあるものの、ライ麦がないためか雑味のないクリーンさも感じました。

余韻は非常に長く、樽香、果実香がいつまでも続きます。

「パピー・ヴァン・ウィンクル 15年」はオープンプライスです。

同シリーズの「オールド・リップ・ヴァン・ウィンクル 10年」の参考小売価格は17万8,000円(税抜)なので、それよりも高額で販売されることが予想されます。