南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「3月20日の反政府運動に注意。悪材料多い中で停電緩和は継続するか、中国経済の回復はランドを支えるか」南アランド見通し

「通貨最下位、株価12位」
「予想レンジ 南アランド6.9-7.4」

(ポイント)
*3月20日の反政府運動に注意
*今週は2月消費者物価の発表
*週末の停電は軽減
*年初来最弱通貨
*4Q・GDP、経常収支が悪化
*1月貿易収支も赤字に
*1月の小売売上が予想を上回った
*格付見通し引き下げ
*電力大臣ポストが新設
*中国共産党との友情を再確認
*ランドが売られる要因は停電とマネロン
*南アの最大貿易相手国は輸出入ともに中国
*電力不足で国家的な「災害事態」を宣言
*経済成長率について、中銀は2023年は0.3%、24年は0.7%になると予想
*政策金利は利上げ減速で0.25%引き上げ
*インフレ率は23年は5.4%、24年は4.8%と予想(中銀)

(悪材料が続き、最弱通貨継続)
悪材料が続き、最弱通貨を続けている。マイナス成長だった4Q・GDP、4Q経常収支、1月貿易収支の赤字化、格付け見通しの引き下げが続いた。マネーロンダリング国にも指定されてしまった。1Q企業信頼感は悪化。

(好材料は)
好材料は1月の小売売上が予想を上回ったことか。前月比で1.5%増で前月の1.5%減や予想の1.0%減を上回った。また停電の段階が引き下げられたこともある。新たに新設された電力大臣の効果があったのか、もう少し様子見だ。中国経済指標の改善や、調査機関が中国の2023年の成長見通しを全人代の5.0%以上に上方修正したことも中国を最大貿易相手国としている南アの景気回復の支えとなる。

(今週の焦点)
 今週は2月消費者物価の発表がある。前値日で6.9%上昇の予想で前月と同じ。3月30日の中銀政策金利決定では7.25%での据え置きが予想されている。

(3月20日は野党EFFの全国的な閉鎖運動が計画されている)
 3月20日は野党EFFが、全国的な閉鎖運動を計画している。政府は、軍隊と大規模な警察部隊を配備する。全国的な閉鎖は、EFF が主導し、アフリカ変革運動と SA 労働組合連盟も参加する。EFF は、電力危機の終結とシリル・ラマポーザ大統領の辞任を望んでいる。

*日本外務省よりの警告=抗議行動「National Shutdown」

  報道等によれば、「経済的解放の闘士」(EFF)党が、3月20日(月)午前0時から「National Shutdown」と称する抗議行動を行う予定で、複数の団体が参加を表明しています。  EFFは、道路の占拠、略奪を避けるためのショッピングセンター等の商業施設の閉鎖、エッセンシャルワーカー以外の欠勤、通学の取りやめ等を呼びかけております。一方、政府は、市民は平常通りの生活を行うよう呼びかけ、暴力的な抗議行動には厳しく対応することを表明しています。本件は、展開の予測が難しく、事態が急変することや翌日にかかる可能性もありますので、最新の情報を入手し、不要不急の外出・移動は控えることを推奨します。 万が一、被害にあわれた場合には、在南アフリカ日本大使館に連絡してください。

テクニカル分析(ランド/円)

ボリバン3σ下限まで下落

日足、ボリバン2σ上限から3σ下限へ下落。21年11月26日-23年3月17日の上昇ラインがサポート。3月15日-17日の下降ラインが上値抵抗。5日線。20日線下向き
週足、雲の下、2週連続陰線で2σ下限へ下落。21年11月22日週-23年3月13日週の上昇ラインがサポート。3月6週-13日週の下降ラインが上値抵抗。5週、20週線下向き。
月足、4か月連続陰線、3月もここまで陰線。雲中、21年11月-23年2月の上昇ラインを下抜く。22年11月-12月の下降ラインが上値抵抗。
年足、21年、22年は短い陽線。23年は陰転。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。

南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

喜望峰

中国共産党との友情を再確認

 ラマポーザ大統領は中国共産党との友情を再確認し、その「外交政策姿勢」は ANC が称賛するとした。ANCは、中国共産党との友好関係と、ロシアとウクライナの戦争に関する非同盟外交政策の立場の両方を再確認した。
 ラマポーザ大統領は、南アは中国の原則に基づく非同盟外交政策姿勢を称賛すると述べた。米国の名前は挙げなかったが、大統領は、ANC は単一の国家またはその国の軍事力や経済力による支配を、世界の他の国々がどのように振る舞うべきかについて嫌悪していると付け加えた。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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