トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「選挙で野党勝利でも不安が付きまとう」トルコリラ見通し

(通貨11位、株価20位)

予想レンジ トルコリラ/円6.4-7.4

(ポイント)
*野党が選挙戦をリードもリラも株も弱い
*エルドアン大統領は選挙対策の景気対策を続行
*3月の消費者物価は前年同月比50.51%上昇
*3月製造業PMIは改善
*今週は3月貿易収支
*政策金利は8.5%で据え置きとなった
*企業信頼感指数や失業率は改善
*9年ぶりの年足陽線が崩れる
*経常・貿易赤字でリラは弱い
*5月14日に大統領・議会選挙
*今年は建国100周年
*サウジアラビアがトルコに50億ドルの預金
*リラは、外貨送金の制限、海外からの援助金・保険金流入で支えもある
*2022年のGDPは5.6%増
*大統領は利下げ示唆
*国内預金が外貨預金を上回る=リラ化政策で
*外交では問題が多い

(野党勝利でも不安がつきまとう)
 通貨も株価も弱くなってきている。大統領・議会選挙戦が始まり、やや野党が有利なようだが、もし野党が勝利しても、順調な政権交代や、経済の運営が行われるのかの不安はある。大地震からの復興への負担も出てくる。強権政治で為替や金利の動きを抑制してきたが、新政権でそれを自由化して、市場需給に従ってリラ安、金利上昇に繋がればさらにトルコは苦境に陥る。不合理なエルドアン体制での強制的な経済政策に慣れ切ったものを立て直すには時間がかかりそうだ。エルドアン派の巻き返しもあろう。

(エルドアン大統領、必死の選挙対策)
 さて現在のエルドアン大統領は選挙対策か電気料金を15%引き下げたり年金も増額している。「リラ化」というリラ相場への介入も続けている。

(3月の消費者物価は)
 3月の消費者物価は前年同月比50.51%上昇した。伸び率は2月の55.2%から鈍化し、予想の51.3%も小幅に下回った。
昨年10月の85%からは徐々に低下している。

(3月製造業PMIは改善)
 3月のトルコ製造業PMIは50.9と、前月の50.1から上昇した。好不況の分かれ目となる50を上回る水準を維持した。
2月に発生した大地震の影響が続いているものの、新規受注と生産が改善。トルコ製造業の拡大が続いていることが示された。
 製造業の生産は増加。地震からの復興事業が生産を押し上げた面もあるという。
新規受注は1年半ぶりに増加に転じた。輸出受注が好調だった。
 S&P「トルコの製造業は、2月には地震の影響が大きかったが、3月に生産高が再び増加したことは歓迎すべきことだ。一部の企業はまだ影響を受けているものの、復興への取り組みが始まったことが、全体的な成長への回帰を後押ししている。新規受注も増加しており、過去1年ほどの間に企業が経験した比較的弱い状況に終止符が打たれることが期待される」と語った。

(今週の指標)
今週は3月貿易収支の発表がある。高インフレと需給悪化の流れは続いている。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

ボリバン2σ下限で推移、年足は陰転

 日足、ボリバン2σ下限で推移。雲の下。3月24日-27日の上昇ラインがサポート。3月15日-4月3日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く、20日線下向き。
 週足、ボリバン2σ下限から反発も中位越えられず。3月20日週-27日週の上昇ラインがサポート。3月27日週-20日週の下降ラインを上抜くか。5週線、20週線下向き。
 月足、11月-12月の下降ラインを上抜く。1月-2月の上昇ラインがサポート。22年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。
年足、8年連続陰線。その間52円から6円台へ沈む。今年は僅かに陽転していたが3月陰転。

トルコリラ見通し
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メルハバ

エルドアン大統領、必死の選挙対策

 エルドアン大統領は選挙対策か電気料金を15%引き下げたり年金も増額している。「リラ化」というリラ相場への介入も続けている。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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