外為マーケットレポート
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)


現在、海外に滞在しておりまして今週のレポートは極めて簡潔な物になりますことをご容赦下さい。

先週のドル・円相場は、週初は131円台で始まったものの、植田新日銀総裁が“当面は現状の緩和姿勢とイールド・カーブ・コントロール(YCC.)を続ける。”とのハト派的(金融緩和に積極的)なコメントを受けて短期のドル・ショートの買い戻しが入って133円台のHigh.まで値を戻すこととなった。

注目の3月米国消費者物価指数(CPI.)は前月の+6.0%から+5.0%へと下落したものの、食品とエネルギーを除いたコアのCPI.は前月の+5.5%から逆に+5.6%へと上昇してFRB.による利上げ継続が意識されて長期金利が上昇し、それにつれてドル・円相場も134円台を回復した。

その後、米小売売上高は減少したものの、ミシガン大学消費者信頼感指数が高いインフレ予想を示すものとなって、ドル・円相場は堅調さを維持している。

幾人かのFRB.地区連銀総裁の“インフレを抑える為には更なる利上げが必要である。”とのタカ派(金融引き締めに積極的)なコメントもドルの下値を抑える結果となった。

植田新総裁のコメントであるが、指名された折の国会での所信表明と異なった事を仰る筈も無く、“当面は”とは“何れ考えを変えます。”と仰っているのと同じで、利上げは兎も角YCC.の上限の拡大か撤廃は時間の問題と心得る。

FRB.地区連銀のコメントも、インフレ抑制を第一の使命と考える中央銀行としては当然のものであり、インフレ抑制か、或いは景気減速を避けるかを天秤に掛けて現在は前者により注意を払いたいと言うことであろう。

次回の日銀政策決定会合(4月27日~28日)及びFOMC.(5月2日~3日)迄はドルの堅調地合いが続く可能性が高いが、それ以降は日米金利差縮小と米国景気減速懸念からドルの下落が始まるのではないかと感じている。

ドル・ベア(ドルにとって弱気派)にとって、今は辛抱の時ではなかろうか?

今週のテクニカル分析の見立てはドルの下落を警戒しながらレンジ取引を予想する。
131.20を切らない限りドルの堅調さは続こうか?