今週は27日~28日に植田新総裁の元での最初の日銀政策決定会合が、そして来週は5月2日~3日にFOMC.が開催される。
先週はこれらの大きなイベントを前にして、金融市場は驚く程静かに推移し、週末ベースで比べると全ての動きが0.5%以内に収まると言う凪状態で週を終えた。
果たして日銀政策決定会合において何らかの政策変更が行われるのか否か市場は固唾を飲んで見守るが、植田新総裁が所信表明で“現在のインフレや経済情勢を踏まえて金利を大きく上げる状況ではない。”と述べ、又イールド・カーブ・コントロール政策(YCC.)に関してもYCC.による市場への副作用を指摘しつつも、“現状の経済・物価・金融情勢を鑑みると、現行のYCCを継続するということが適当。”と述べており、市場の大方の見方は“政策変更なし。”と見るが、筆者は個人的に少なくともYCC.の変更が有るのではないかと期待している。
先日、玉木林太郎・元財務官は某通信社とのとのインタビューで、新体制が始まった日銀の金融政策について、現行の大規模緩和の修正に早めに着手すべきと指摘し、中でもYCC.の見直しが最優先で、秩序を保ちつつも市場が織り込まないよう不意を突く形で打ち出す必要があると述べた。
玉木氏の意見が財務省の意向に沿ったものであるかどうかは知らないが、元為替トレーダーの観点から言うと、“何れ必ずやるべきもの。”であるなら、昨年12月10日と同様に不意を突く形でYCC.の変更をやるのが肝要と心得る。
先週、10年債利回りは0.460%~0.470%の間で静かに取引されており、海外投機筋がYCC.の変更を見越して“弾を仕込んだ。”形跡は無い。
絶好のチャンスであろう。
来週のFOMC.では0.25%の利上げが見込まれており、大きな波乱は無かろう。
今週はブラック・アウト期間に入る為FRB.高官や地区連銀総裁からのコメントは聞かれないが、先週までは相変わらずタカ派的(金融引き締めに積極的)な発言が目立った。
個人的には今回の利上げで昨年3月から1年間続いた利上げは打ち止めとなると見ており、ドル・円相場にとっては今週の日銀の政策決定会合と相まって正念場になるのではないかと期待している。
シリコンバレー銀行問題に端を発した金融不安は落ち着いた感が有るが、シャドー・バンキング問題を含め、未だ未だ“隠れた膿。”が存在している気がしてならない。
当面ドル・ベア(ドルにとって弱気)のスタンスで臨んでみたい。
今週のテクニカル分析の見立てはレンジ取引を意識し、先週の高値135.12を上切れば137円台への上昇、逆に132.70を下切れば131円台への下落も有り得る。