人民元見通し
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総括

FX「中国が存在感を示せるかウクライナ問題。成長見通しは上方修正」人民元見通し

(通貨5位、株価8位)

予想レンジ 人民元/円18.9-19.4

(ポイント)
*習国家主席とウクライナ・ゼレンスキー大統領の会談あり
*経済指標改善で2023年成長見通しは引き上げ
*人民元はバスケット制度で12通貨中では中位にいる
*株価は冴えない、ハンセン指数はマイナス圏
*海外勢の中国債保有は3か月ぶりに増加
*今週末はPMI発表
 *米中関係は停滞
*G7は中国回避か中国とのデカップリングも焦点
*金融は緩和気味。預金準備率(RRR)引き下げ
*中国、初の人民元建て決済 仏トタルとLNG
*サウジ、上海協力機構へ参加
 *対米、対独の2022年の貿易額は過去最高

(中国が存在感を示せるか、ウクライナ問題)
 習近平国家主席は4月26日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行った。習主席は、ウクライナに特別代表を派遣し、全ての当事者と協議し危機の解決を目指す方針を示した。ゼレンスキー大統領は、「習近平国家主席と長く有意義な電話会談を行った。この電話会談、特別代表の任命が、二国間関係の発展に強力な弾みになると信じている」とした。
中国外務省当局者は、習主席がゼレンスキー大統領と電話会談したことは、国際問題に対する中国の客観的で公平な立場と、大国としての責任感を示すとし「中国がウクライナ危機解決のために行ったことは公明正大だ」と述べた。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は歓迎するとしつつも、和平交渉につながるかどうかを判断するには時期尚早と指摘した。

(人民元安定=させている=ダーティーフロートという)
人民元円は今週、今月は下落している。ただ12通貨中では6位とバランスを保っている。バスケット制のよるものだ。これがそのまま基軸通貨となってもドルの連動するなら、やはりドルが基軸である。いつかドルとの連動を断ち切るのだろうか。膨大な貿易黒字があるゆえに20世紀の円のような人民元急騰のリスクは残る。

(株価は冴えない)
上海総合指数は3264.1で年初来5.66%高、世界で10%超の上昇市場もある中で、また経済指標の改善の割には弱い。香港ハンセン指数は19757.27でマイナス圏、年初来0.12%安だ
(成長見通し上方修正)
1Q・GDPなどゼロコロナ政策解除以来中国の経済指標は軒並み改善してきている。それを踏まえて、世界の調査機関は中国の2023年の成長見通しを上方修正した。BOAはGDP伸び率予想を5.5%から6.3%に上方修正した。
JPモルガン、シティグループ、UBSも、今年の中国のGDP伸び率予想をそれぞれ6.4%、6.1%、5.7%に上方修正。モルガン・スタンレーは5.7%に据え置いたものの、上方修正する可能性を示唆した。ゴールドマン・サックスは6.0%に据え置いた。

(海外勢の中国債保有は増加) 
海外勢が3月にオンショア人民元建て債券の保有高を増やしたと指摘、景気回復の兆しが出る中、今後さらに資本流入が拡大するとの見通しを示した。
ドルの下落、米中の金利差縮小、中国経済回復の兆しが資本流入に寄与したと指摘。「中国経済の回復は続き、金融市場の対外開放も着実に進む。外資流入の余地が依然としてある」と述べた。
海外機関投資家は3月、銀行間市場で取引される中国オンショア債の保有を100億元(14.5億ドル)増やし3兆2100億元とした。3カ月ぶりの増加となった。

テクニカル分析(人民元/円)

ボリバン2σ上限に達してから反落

日足、ボリバン2σ上限に達してから反落、雲の下、ボリバン下位へ。4月6日-26日の上昇ラインがサポート。4月24日-25日の下降ラインが上値抵抗。4月25日-26日の下降ラインを上抜く。5日線下向きで20日線を下抜く。
 週足、雲中。2月27日週-4月24日週の下降ラインが上値抵抗。3月20日週-4月3日週の上昇ラインがサポート。雲の下へ落ちる。
 月足、1月、2月は陽線。3月は陰転。4月はここまで陰線転。ボリバン中位を下抜けず。23年1月-3月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年3月の下降ラインが上値抵抗。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。

人民元見通し
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チーファンラマ

のんきに中国観光出来ない?

 中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会は4月26日、スパイ行為の摘発を強化する「反スパイ法」改正案を可決した。7月1日に施行する。
反スパイ法は2014年に施行された。改正案では摘発の対象範囲を広げた。日本人もこれまで17人が摘発されている。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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