本記事は、はっしゃん氏の著書『「会社四季報」速読1時間で10倍株を見つける方法』(翔泳社)の中から一部を抜粋・編集しています。
「はっしゃん式理論株価」とは?
理論株価は、企業の財務指標や業績予測から計算した理論上の株価です。はっしゃんは企業価値の評価指標として、独自に「はっしゃん式理論株価」を開発して、投資判断の目安として活用しています。
理論株価には、シンプルに「株価と比較できる」という特徴があります。そのため、専門的な金融知識なしで投資するための初心者向け評価指標として利用できます。
はっしゃん式 理論株価は、はっしゃんが監修する株式サイト【株Biz】の「理論株価WEB」および「理論株価チャートRoom」で公開していて、無料で利用できるようになっています。
参考までに、「理論株価WEB」や「理論株価チャートRoom」で理論株価を算出するまでの流れは、次図のようになっています。
上場企業各社からリリースされるXBRLというデジタル形式の決算書データからプログラム(PythonやMySQL、HTML5など)を使って理論株価を算出して、見える化表示します。
本記事では、「理論株価WEB」や「理論株価チャートRoom」を活用して、理論株価を簡易チェックする方法と、「理論株価電卓」「5年後株価計算ツール」を使って本格的に分析する2種類の評価方法を紹介します。
理論株価WEBで簡易チェック
簡易チェック法は「理論株価WEB」を使う方法です。「理論株価WEB」では、全上場企業からリリースされる最新決算書から理論株価を計算して公開しています。
決算内容は、決算発表当日の夕方から夜までの間にデータベースへ反映されるので、情報の鮮度という意味では、四季報よりも優れているといえるでしょう。
理論株価をチェックするには、「理論株価WEB」サイトにアクセスして、画面上の検索窓に銘柄コードを入力して「表示」ボタンをクリックします。すると、個別銘柄ページへ移動します。なお、銘柄コードは四季報に記載されていますので、覚えておくと便利です。
銘柄コードを覚えていない場合には、検索窓の右サイドにある「全銘柄リスト」をクリックすると、すべての銘柄が一覧表示されるので、この全銘柄リストから選ぶ方法もあります。
下図は、理論株価WEBでトヨタ〈7203〉のページを表示したところです。ページ左下グラフで理論株価を見える化しています。
「理論株価WEB」の個別銘柄ページでは、企業情報や理論株価の内訳(資産価値や事業価値)など、四季報とは異なる様々な投資情報も掲載されていますが、ここでは理論株価の「上昇余地」から投資判断する方法に絞って紹介します。
- 理論株価WEBで簡易チェック
上昇余地がプラス :割安であり、購入候補です。時系列分析へと進みます
上昇余地がマイナス:割高であり、見送り推奨です
※簡易チェックは、四季報速読法の1、2 ステップで選別されてきた右肩上がりの成長株候補に対してのみ有効です
上昇余地がプラスの銘柄は、株価が割安で上昇余地があることを示しています。この段階では合格ですので、次の「理論株価チャートRoom」でさらに詳しく分析します。
上昇余地がマイナスの場合、株価は割高なので見送り推奨です。ただし、これから株価が下がってきて理論株価を下回ることはありえますのでマイナス幅が小さい場合は、待ちスタンスで購入候補としても問題ありません。例外として、未来の企業価値を予測したうえで、たとえ現時点で割高であっても将来性を考えて買う選択肢もあります。この買い方はリスクを伴いますので、決算分析を含めた仮説検証をしっかり行うことが前提です。
ITエンジニア兼業投資家として割安成長株に長期投資するスタイルで1億円を達成。現在は独立・起業して「初心者にも持続可能な株式市場の実現」という理念のもと、専門的な金融知識なしで利用できる株式入門サイト「株Biz」を監修・開発。
理論株価や月次情報など独自の投資コンテンツを配信する。投資家VTuberとしてマネー誌、投資メディア、SNSでも活動し、 ビジネス著書累計8万部、Twitterフォロワー数7万人、YouTubeチャンネル登録数1.7万人。 ※画像をクリックするとAmazonに飛びます