トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「オアン氏がエルドアン大統領支持に回る。政権維持ならリラ化政策継続。市場は失望か」トルコリラ見通し

 (通貨11位、株価20位)   

予想レンジ トルコリラ/円6.4-7.4

(ポイント)
*大統領選は1回目で決まらず決選投票へ 3位のオアン氏はエルドアン支持か
*第1回目投票後の市場は(文中) 
*エルドアン大統領、利下げ継続を強調
*5月25日に政策金利決定、31日に1Q・GDP
*銀行の融資には債券購入を義務付け=長期金利低下
*議会は与党連合が過半数獲得
*4月の消費者物価は50%割れ
*リラも株価も弱い2023年
*地震でも世銀が成長率見通しを上方修正
*貿易・経常赤字は続く。これが主たるリラ安要因
*リラ安防衛策はリラ預金増に繋がるがリラ安を抑えきれない
*国内預金が外貨預金を上回る=リラ化政策で
*今年は建国100周年

(選挙で第3位のオアン氏はエルドアン大統領支持か)
 トルコ大統領選の第1回投票で3位だった極右民族主義のオアン氏は22日、28日の決選投票で現職エルドアン大統領を支持すると発表した。首位のエルドアン氏にとって追い風に、2位の野党統一候補クルチダルオール氏には逆風となる。
 ただオアン氏が率いた小政党連合の一部にはクルチダルオール氏支持の動きもあり、オアン氏に投票した有権者がどの程度エルドアン氏に投票するのかは見通せない。選挙戦は民族主義票の奪い合いが過熱している。

オアン氏は難民を自国に送還し、PKKなどクルド人武装組織を含む「テロリスト」を積極的に追跡するという公約を掲げて大統領選挙運動を展開した。この点について、エルドアン大統領は、一定の違いがあるが、ある程度の合意をみたと発言、これで、オアン氏はエルドアン大統領への支持を表明した。エルドアン大統領がPKKをかくまうスエーデンのNATO加盟反対を再表明したこともオアン氏に配慮か。

(第1回目の投票後の市場の動きは)
第1回目の大統領選挙を終えて為替、株価、長期金利の動きは以下の通り(5月12日から5月22日終値)

・為替リラ円6.78→6.97 ドルリラ20.019→19.85 
・株価(イスタンブール100) 4795.61→4501.73
・10年国債14.52%→9.00%

 株や債券が売られていることを受け、中銀が、消費者向けローンやその他一部の商業ローンをカバーするため、銀行に融資の増加に応じた証券の維持を義務付ける制度を拡大した。これまでも何度か実施していたが、大統領選後の市場の混乱を防ぐ為、異例な政策を再び実施した。長期金利が選挙前の14%台から9%台へ急低下している。トルコの市場原理に外れた強権的な政策は続いている。

(今週の指標は)
今後の注目の経済指標では、5月25日の政策金利決定(8.5%で据え置き予想)と5月31日の1Q・GDP(前年比2.6%増予想)の発表がある。

(エルドアン大統領、利下げ継続)
エルドアン大統領は、5月28日に再選された場合、超高インフレを抑制するために金利を引き下げるという異例の政策を継続すると約束した。
 「選挙の影響で私について来てください。そうすれば金利とともにインフレも下がることが分かるでしょう」と語った。

エルドアン大統領の経済政策がインフレを加速させたため、トルコリラは昨年40%以上暴落した。世界最大の経済大国のほとんどの中央銀行が物価の高騰を抑制するために急速に利上げを行っているが、トルコはその逆を行っている。

「金利とインフレには直接的な相関関係があるという持論があります。金利が下がればインフレも下がる」と語った。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

ボリバン中位越える、5日線、20日線上向き

 日足、先週は雲の中まで上昇。ボリバン中位越える。5月12日-22日の上昇ラインがサポート。5月19日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
 週足、ボリバン3σ下限からは反発。ボリバン中位。5月8日週-22日週の上昇ラインがサポート。5月1日週-15日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向き、20週線下向き。
 月足、22年11月-12月の下降ラインを上抜く。21年12月-23年5月の上昇ラインがサポート。21年3月-9月の下降ラインが上値抵抗。
 年足、8年連続陰線。その間52円から6円台へ沈む。今年は僅かに陽転していたが3月陰転。

トルコリラ見通し
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メルハバ

純外貨準備、21年ぶり低水準 総選挙前に外貨需要拡大

 中銀の純外貨準備高は5月12日までの1週間に約44.5億ドル減少し、21年ぶり低水準の23.3億ドルとなった。総選挙前に外貨需要が急拡大した。
 金なども含めた総準備高は90億ドル減少し、2022年7月以来の低水準となる1051.3億ドルだった。準備高減少について、通貨リラ相場を安定させるための当局の取り組みを示していると指摘する。
 経済成長や輸出、投資を優先するエルドアン大統領の政策下で行われた一連の利下げにより、リラは昨年ドルに対して約30%、21年には44%下落した。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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