人民元見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「米中対立で弱り目の中国景気が世界に影響。ただ人民元は管理相場」人民元見通し

(通貨8位、株価11位)

予想レンジ 人民元/円19.3-19.8

(ポイント)
*政府版5月製造業PMI弱い
*景気の弱さは、通貨バスケット制を採用しているので、人民元の弱さには繋がらない
*本日は5月財新製造業PMIの発表
*最近は株価が弱い。G7サミットでの中国リスク軽減の声明も影響か
*海外ファンドは中国のソブリン債から資金を引き揚げ
*成長率の下方修正、金融緩和も
*G7サミットでは中国を名指しで批判、中国は猛反発
*近々、中国の格付見直しか
*消費者物価は伸びない
*4月鉱工業生産、小売売上改善も予想下回る
*新築住宅価格、需要低迷で伸び鈍化
*預金金利は引き下げ
*国債利回り6カ月ぶり低水準
*人民元はバスケット制度で12通貨中では中位にいる
 *対米、対独の2022年の貿易額は過去最高

(製造業PMI弱い)
・5月製造業PMIは48.8、4月の49.2、予想の49.4を下回った。需要低迷が響いた。3か月連続の低下。新型コロナウイルス禍から持ち直しているものの、回復状況はまだら模様となっている。

・5月非製造業PMIは54.5、4月56.4から低下した。2か月連続低下。消費が主導する景気回復の勢いが弱まっており、製造部門の低迷と相まって経済を圧迫している。
・5月 総合PMIは52.9、4月の54.4から低下。

 ただ中国景気の弱さは、通貨バスケット制を採用しているので、人民元の弱さには繋がらない

本日は5月財新製造業PMIの発表がある。

(株価も弱い、米中対立も影響)
 最近は株価も弱い。G7サミットでの中国リスク軽減の声明も影響か。
上海総合指数は年初来3.73%高、4月は10%高近くまで上昇していたが、5月は伸びなかった。香港ハンセン指数は7.82%安となっている。外国人投資家が、景気回復の見通しは暗いと見て今年は一斉に売りを強めている。

(米債がより魅力的で中国債から撤退)
信頼感の喪失は債券にも及んでいる。米国債の利回りが中国国債の利回りを上回った今、海外ファンドは中国のソブリン債と準ソブリン債から資金を引き揚げた。不動産開発企業や地方政府の資金調達機関がデフォルトを起こしたため、大半の海外勢は社債市場からも逃げ出した。

(成長率の下方修正、金融緩和も)
 ブルームバーグ調査では、中国の2023年のGDP成長率見通しを5.5%と、従来予想の5.6%から下方修正した。中国の景気回復ペースが鈍っており、人民銀行は主要銀行の預金準備率を従来想定よりも早く引き下げると見込まれている。人民銀は3Qに主要金融機関の預金準備率を0.25ポイント引き下げる見通し。従来予想は4Qだった。0.25%引き下げられた場合、預金準備率は10.75%から10.5%に低下する。年内引き下げ後は少なくとも24年末までその水準が維持される可能性が高い。

テクニカル分析(人民元/円)

2σ上限から3連続陰線。5日線下向く

日足、ボリバン2σ上限から3連続陰線。雲の上。5月11日-31日の上昇ラインを下抜くか。4月27日-5月11日の上昇ラインがサポート。5月30日-31日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く、20日線上向き。
 週足、雲中。22年10月17日週-23年5月22日週の下降ラインが上値抵抗。4月24日週-5月8日週の上昇ラインがサポート
 月足、小幅だが右肩上り。ボリバン中位を下抜けず。23年3月-4月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年5月の下降ラインが上値抵抗。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート

人民元見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

チーファンラマ

中国の言い分

 中国が中米国防大臣の会談提案を「拒否した」という報道について、中国側が反論した。報道ではさらに米国は、近年、米軍間のあらゆるレベルでの交流を求める米国の要請を中国が繰り返し拒否していると伝えられている。

 これに対してタン・ケフェイ国防省報道官は「中国は中米軍事関係の発展とあらゆるレベルでのコミュニケーションを非常に重視しており、実際、両軍間の接触や交流は途切れていない。強調したいのは、対話には原則が不可欠であり、コミュニケーションには結論が不可欠であるということだ。両軍間の交流における現在の困難は完全に米国側にある。米国は「意思疎通を強化したい」と言い続ける一方で、中国の懸念を無視し、人為的に障害を作り出し、両軍間の相互信頼を著しく損なうのは、中米両国に対する約束として適切な態度ではない。米国は誠意を示し、誤りを正し、双方の意思疎通と交流に必要な条件と雰囲気を創出すべきである」述べた。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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