南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「電力は中国が援助か。米系はオーバーウェイト。今週のGDPに停電の影響は」南アランド見通し

「通貨最下位、株価10位」
「予想レンジ 南アランド6.9-7.4」                                           

(ポイント)
*貿易黒字は維持、製造業PMIは弱い。今週はGDPに注目
*投資銀行が南ア買いを推奨
*中国が支援か、電力問題
*プーチン大統領を逮捕か保護か
*予想を上回る0.5%利上げ。インフレ懸念は強い
*4月の消費者物価は前年同月比6.8%上昇と、3月の7.1%上昇から伸びが鈍化
*中銀がランド安懸念
*難題あり(停電、グレーリスト入り、中国・ロシアへの接近で対米関係悪化)
*今冬は前例のないレベルの計画停電か
*今年はここまで最弱通貨
*失業率、小売売上が悪化
*AGOAの更新が不透明(対米関係悪化で)
*IMFは成長見通し引き下げ
*南アの最大貿易相手国は輸出入ともに中国
*インフレ率は23年は5.4%、24年は4.8%と予想(中銀)

(貿易黒字は維持、製造業PMIは弱い。今週はGDPに注目)
電力危機の影響もあり経済指標は弱いが貿易黒字は維持できた。4月貿易収支は35.4億ランドの黒字、3か月黒字を維持した。アブサの5月の製造業PMIは49.2で、経済活動の拡大・縮小の分かれ目である50を4カ月連続で割り込んだ。4月は49.8。6カ月後のビジネス状況の見通しを示す指数は2020年初め以来の低水準に低下。冬の停電悪化に対する懸念が圧迫した。
 今週はS&Pの5月PMI、1Q・GDPと経常収支、2Q企業信頼感指数、4月製造業生産と指標が多い。

(中国が支援か、電力問題)
 電力問題では中国が南アを支援すると電力大臣が発表した。ラモクゴパ電力大臣は、負荷制限によるサービス提供への影響を制限するために、政府は中国からの「大規模な補助金」を発表する予定であると述べた。中国は病院や学校に設置できる太陽光発電装置と発電機を提供する。

(投資銀行が南ア市場の底打ち感を示唆)
ゴールドマン・サックス、ドイツ銀行(先週言及)、クレディ・アグリコルは、ランドが記録的な安値に下落し、地方債が暴落して利回りがパンデミック発生以来最高値を記録したことを受けて、見方を変えてきた。
 好転を求める声は、経済や政治の突然の改善への期待ではなく、株価下落や米国の利上げ鈍化を受けて南アの資産が割安に見えることに基づいている。悪いニュースはたくさんあるが、そのほとんどは織り込まれている、と彼らは主張する。
 ゴールドマン・サックスは、3カ月以内にランドが4%上昇して1ドル=18.75ランドを目指すとした。
 これは、クレディ・アグリコルが9月までに1ドルあたり18ドルにすると発表したばかりのことと一致。ドイツ銀行は先週、バリュエーションが「非常に割安」であることを理由に国内の現地通貨建て債券を「強いオーバーウエート」に変更し、10年債利回りを現在の12%超から10%と予想した。
 この呼びかけにすでに投資家が呼応している可能性がある。ランドは先週金曜日に1%近く上昇し、南アのドル債は上昇し、2030年債利回りは28ベーシスポイント低下し、11月以来の水準となった。
  ゴールドマン・サックスは、さらなる悪いニュースにより資産価格がさらに下落するリスクはあるものの、現在バリュエーションは異常に低く、市場がすでに資産を割り引いていることを示唆していると述べた。一方、クレディ・アグリコルは、経済改善に向けた政府の何らかの行動を見極めることに基づいている。

(プーチン大統領はやってくるのか)
 8月のBRICS首脳会議開催で南アは苦慮している。国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているロシアのプーチン大統領が出席する場合の対応を検討している。ICCは、ロシアがウクライナで子どもをロシア支配地域に強制的に移動させたことを巡りプーチン氏に逮捕状を出した。南アは建前としては逮捕しなくてはならない。南アは先週、通常の慣行と称して両BRICS会議の出席者に外交特権を与えると発表したが、それは必ずしもICCの令状を無効にするわけではない。

テクニカル分析(ランド/円)

反発しボリバン中位越え。5日線上向く

 日足、先週末は反発しボリバン中位越え。6月1日-2日の上昇ラインがサポート。
5月25日-6月2日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く、20日線下向き。
 週足、一時3σ下限まで急落。現在はボリバン下位に戻る。5月8日週-29日週の上昇ラインがサポート。5月22日週-29日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。 
月足、ボリバン2σ。20年5月-23年5月の上昇ラインがサポート。23年1月-5月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線は下向き。
年足、21年、22年は短い陽線。23年は陰転。20年-22年の上昇ラインを下抜く。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。

南アランド見通し
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喜望峰

BRICS、多極化世界で主導力発揮し大国に対抗、共通通貨は

BRICSの外相会議では、多極化する世界でリーダーシップの発揮を目指すとし、欧米の大国に対抗する姿勢を主張した。

BRICS首脳はこれまでも新規加入に前向きな姿勢を示しており、今回の会議にはイランのアブドラヒアン外相とサウジアラビアのファイサル外相も参加。両国のほかベネズエラ、アルゼンチン、アルジェリア、アラブ首長国連邦(UAE)がBRICSへの加盟を正式に申請したか、関心を示している。
またBRICS銀行の幹部が「現在の国際取引通貨を代替する通貨を使用する可能性」について外相らに説明した。その目的は「一方的な制裁につながった問題に全く関与していない国々に二次的な影響を与える制裁の犠牲者にならないようにすること」とした。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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