FXつみたて通信 南アフリカ ランド/円
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

買いどき?指数は南アフリカ ランド/円の上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。

高金利通貨である南アフリカ ランドについて、中長期にわたり買いポジションを保有する視点で、現在を分析します。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka

目次

  • 南アフリカ ランド/円 上昇・下落のパワーバランス
  • ・パワーバランス まとめ
  • 南アフリカ ランド/円、いまが買いどき?
  • ・経済指標予定
  • ・関連レポート
  • ・関連リンク

南アフリカ ランド/円 上昇・下落のパワーバランス

南アフリカ ランド/円をトレードするうえで重要となる経済指標やイベントを個別に点検します。

南ア準備銀行は10会合連続の利上げを実施

5月25日の南ア準備銀行(SARB)金融政策会合で市場予想通り0.50%の利上げを実施し政策金利を8.25%とした。5人の理事全員が0.50%利上げで一致。次回会合は7月20日。

南アのインフレは高止まり。中銀はインフレ見通しを上方修正した

4月の南アCPIは前年比+6.8%となり1月以来の7%割れとなった。昨年12月から7.0%前後で高止まりしている。SARBは来年のインフレ見通しを上方修正した。SARBのインフレ目標は3~6%。5月分は6月21日発表。

南アフリカの貿易収支は前月から黒字額が縮小した

4月の南ア・貿易収支は35億ランドの黒字と3月の63億ランドの黒字から黒字額が縮小した。資源価格の低下やランド安などが要因。

南アフリカの小売売上高は4カ月連続で前年比で減少した

3月の南ア・小売売上高は前年比-1.6%と予想(-0.7%)を下回り、4カ月連続のマイナスとなった。4月分は6月14日発表。

南アフリカのGDPはプラス成長となりテクニカルリセッションを回避した

6月6日に発表された南アフリカ2023年第1四半期国内総生産(GDP)は前期比+0.4%で予想と一致した。前期は-1.1%だったが、プラス成長になったことでテクニカルリセッションを回避した。断続的な停電にもかかわらず、10業種中8業種が成長となった。

南アフリカは電力不足に悩ませられており、さらに制裁の可能性がある

①国営電力会社のエスコムの施設老朽化と整備不足による深刻な電力不足により、大規模な計画停電を実施。今冬はさらに悪化する可能性あり。
②電力不足が経済の停滞を助長。
③②が起因となり大手格付け会社S&Pは3月8日に同国の格付け見通しを「ポジティブ」から「安定的」に引き下げた。今後格付けの格下げの可能性もあると指摘。
④ロシアへ武器を供給した疑惑により、米国を中心に欧米諸国から制裁が課される可能性が台頭。

パワーバランス まとめ

SARBは5月25日の会合で10会合連続の利上げを実施。しかしインフレ率は高止まり7%前後で推移。電力不足を起因とした懸念点は引き続き南ア経済の足枷となっている。また欧米から制裁が課された場合には国外からの投資が不可能になる可能性をSARBは懸念している。

南アフリカ ランド/円、いまが買いどき?

FXつみたて通信 南アフリカ ランド/円
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

インフレ率は中銀目標レンジの上で高止まりしている。電力不足は引き続き南ア経済の足枷となっており、長引く電力不足(発電施設のメンテナンスのため、今後さらに悪化が予想される)が、多方面で問題となっている。ロシアへの武器供与の疑惑により制裁を科される可能性がある。今は様子見が良さそうだ。

買いどき?指数は南アフリカ ランド/円の上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。

経済指標予定

6月08日 18:00 1-3月期経常収支
6月14日 20:00 4月小売売上高
6月21日 17:00 5月CPI
6月30日 21:00 5月貿易収支

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新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。

中村 勉(なかむら・つとむ)
中村 勉(なかむら・つとむ)
外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー社へ入社。8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、Twitterを通してFX初心者向けの情報発信を担当している。

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