「M&H」の歴史
M&H蒸留所は、設立から約10年という若い蒸留所です。
歴史こそ短いものの、世界最高賞を受賞する程の高品質なウイスキーを製造できた背景には、どのようなストーリーがあるのでしょうか。
この章では「M&H」の歴史を解説します。
ウイスキー愛好家と起業家たちの夢を実現
「M&H」のストーリーは、熱心なウイスキー愛好家と起業家たちによって始まります。
ウイスキー愛好家と起業家のグループが、イスラエルに初めての蒸留所を建設し、伝統的なウイスキー製造の世界を革新することを夢見てM&Hは設立されました。
設立当初のメンバーの情熱は今も変わらず、革新的なウイスキーを世界に届けようとしています。
イスラエル初のウイスキー蒸留所の誕生
情熱を持ったメンバーが夢を実現すべく、2012年にイスラエル初のウイスキー蒸留所としてM&Hが設立されます。
M&H蒸留所では歴史あるウイスキー造りの伝統を尊重し、設立当初から最高の国際基準の品質を重視していました。
最高品質のウイスキー造りのために、特注の伝統的な銅製ポットスチルや、全工程の品質管理に至るまで、あらゆる面で完璧を追求しました。
そして現在、受賞歴を誇るM&Hのウイスキーは世界40カ国以上で販売されるまでに成長しています。
コンサルタントにジム・スワン博士を迎える
M&Hでは蒸留所設立にあたり、高温地蒸留所の世界的な専門家であるジム・スワン博士をコンサルタントとして迎えます。
ジム・スワン博士は、高温地での蒸留に関する研究者であり、暑い気候でウイスキー熟成をさせる蒸留所向けにSTR樽を使った熟成方法を開発したことでも知られています。
STR樽とは
シェービング(Shaving)、トースティング(Toasting)、リチャーリング(Re-Charring)という3つの工程を経た特別な樽で、主にワイン樽を再利用している。
ジム・スワン博士は、間取り図の作成や最高の材料の選択、蒸留器デザインまでアドバイスをしました。
「M&H」こだわりの製法
M&Hのウイスキーは、イスラエルという場所の特徴を最大限に活かして製造されています。
温暖な地中海性気候を味方につけたM&Hだからこそ可能となる、こだわりの製法を紹介していきます。
熟成に適した暑い気候
イスラエルは年間約300日の晴天に恵まれており、この暑い気候がウイスキーの熟成を促進し、短期間の熟成でも深みのある複雑なウイスキーを造ることに成功しました。
暑い気候により樽内の水分蒸発量が多く、年間平均エンジェルシェアは12%にも達するといわれています。
また、M&Hはイスラエル内の5つの地域に熟成場所を保有したことで、複数の個性あるウイスキーの製造を可能にしました。
洗練された6つのプロセス
国際基準の高品質なウイスキーを製造するにあたり、M&Hは原料とプロセスを重視しています。
水へのこだわり | 最先端のウォーターラボを採用し、蒸留所により良い水を持続的に届けている |
麦芽のこだわり | 最高品質ノンピート大麦麦芽のみを使用し、2週間の製麦を6カ月ごとに実施 |
糖化のこだわり | M&H専用のマッシュタンで、1トンの大麦麦芽と6000Lの水で糖化を行う |
発酵のこだわり | ウイスキー製造用の特殊な乾燥酵母を使用して60〜72時間発酵 |
蒸留のこだわり | 銅製の蒸留器で2回蒸留し、年間で23万Lのウイスキーを製造 |
熟成のこだわり | さまざまな樽で最低3年間熟成 |
徹底した樽へのこだわり
ウイスキーの風味や香り、色などの特徴の70%は、熟成した樽によって決まるといわれています。
そこで、M&Hではさまざまな種類の樽を各国から輸入し、幅広く優れたフレーバーをもたらす樽を選定しました。
イスラエル国内のワイナリーからワイン樽を入手するなど、ウイスキーを熟成させるユニークな樽を常に探し求めています。
プライベートカスクの販売(イスラエル国内限定)
イスラエル国内限定で、M&Hの樽を個人で購入できるサービスがあります。
熟成過程でのテイスティングも可能ですが、最低3年の熟成期間が必要です。
出来上がったウイスキーは樽オーナーが自由にデザインできるボトルに詰められます。
1樽ごと所有できるのはM&Hオリジナルのサービスで、ウイスキー愛好家の夢を実現してくれる革新的な取り組みです。