本記事は、久野孝稔氏の著書『How To STARTUP』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

オフィス、ビジネス
(画像=alfa27 / stock.adobe.com)

起業をする前の大事なこと

起業をする前に必ずビジネスアイデアを持つようにしましょう。起業が先になってしまうと、早くアイデアを出さないといけないという、余計なプレッシャーを受けることになってしまいます。また、実際に起業に踏み切る前に大切な3つのことがあります。


(1)本当にそのビジネスアイデアで起業すべきかどうかを検証する
(2)悪いビジネスアイデアではないかを検証する
(3)共同創業者をどうするかを検討する

(1)本当にそのビジネスアイデアで起業すべきかどうかを検証する

起業はあなたの人生の多くを使う。だからこそ、以下の場合にのみ行うのがよいでしょう。それ以外の場合は、大企業や他の形態であなたのビジネスアイデアを実現したほうがよいかもしれません。

「その特定の課題に突き動かされているように感じる」

解決したい特別な課題に対する熱意が最初にあることが重要。スタートアップは二の次。お金を稼ぎたいからといった理由であれば、もっと他の簡単な方法を採用するべき。

「会社を始めるのが課題へのベストな解決手段である」

そのアイデアはスタートアップだからこそできるものなのか熟考する。大企業ではできないのか、あるいは大きな権限を持つまで実行できないからスタートアップでやるのか。さまざまな要因を考えた上で、スタートアップを始めるべきである。スタートアップはリスクが大きく、起業家としても想定を上回る大変さやストレスがあるので、スタートアップが課題に対するベストな解決手段だと思ったときにスタートアップを始めるようにしたい。

(2)悪いビジネスアイデアではないかを検証する

悪いビジネスアイデアではないかどうかを確認する方法は、実際にアイデアからプロダクトを作り、顧客にぶつけてみることが大切です。悪いアイデアかどうかを確認するチェックリストは次の通りです。

【チェックリスト】

  • 最初からよいように見える……一見よいように見えるアイデアは、多くの場合悪いアイデアであり、他人がすでに行って失敗しているアイデアである。
  • ニッチすぎる……競争を避けるあまり、ニッチな領域にとどまり続けることがある。市場の成長率をチェックすべきである。
  • 真似である……シェアリング、サブスク、モバイル、ソーシャルなどの真似を避ける。
  • 想像上の他人の課題である……課題を捏造しない。顧客に課題があるかどうかをまずは確認すること。
  • 分析から生まれたアイデアである……自分の直接的体験からではなく、データの分析や市場調査から生まれたアイデアはよくないし、長続きしない傾向にある。
  • 自分が欲しいものではなく、作りたいものになっている……自分が欲しいものを作るのは、自分の問題に対する解決策になっているからよいが、作りたいものだけでは問題解決になっていないケースが多い。課題を解決しているソリューションになっているかどうかをチェック。
  • 先行者利益を過信しすぎる、あるいは先行者がいるという理由で諦める……先行しているからといって、顧客の課題を十分に解決出来ていなければ後進に負ける。ただ、逆の見方をすれば後出しでも勝てる可能性がある。

(3)共同創業者を検討する

スタートアップは辛いし、大変で、1人ではほとんどの場合に持ちこたえられないことが多いものです。ですのでスタートアップを始める前に共同創業者を探すのが賢明だと私は考えています。そのためにも再度プロジェクトを通じて共同創業者候補と一緒に何かを始めることをお勧めします。

How To STARTUP
久野孝稔
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科
(SFC)特任助教/シミックホールディングス株式会社CEOオフィスExternal Innovation担当部長/株式会社NERV代表取締役
1976年茨城県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、1999年に茨城県庁に入庁し筑波研究学園都市のスタートアップ産業政策を担当。31歳の時に筑波大学発スタートアップのCYBERDYNE株式会社に転職し、初代営業部長、初代広報戦略部長など要職を歴任。2012年に身体機能を改善するロボットスーツ®️の価値を世に広げるため、麻痺などの後遺症に悩む方をケアするトレーニングセンターを企画。企画から1年後、国内に運営会社を社内起業で一度に複数立ち上げる。自身は湘南ロボケアセンター株式会社を設立後、代表取締役に就任。その後、武田薬品工業株式会社に転職して日本最大級の創薬エコシステム「湘南ヘルスイノベーションパーク」を立ち上げた。さらに、エコシステムを成長させるためにグローバル製薬企業の視点から日本を見る必要があると考え、スイスのメガファーマであるノバルティスファーマの医療政策部長などを経て現在に至る。日本公共政策学会会員。マサチューセッツ工科大学VMSコース修了者(日本初)。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
ZUU online library
※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます。