外国株に投資するなら知っておきたい配当にかかる税金。二重課税のケースもあるって本当?
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若年層を中心に外国株に投資する人が増えています。とくに米国株は連続増配する企業が多く、長期投資に向いています。ただし、配当金への課税は日本株と異なるので注意が必要です。本記事では、米国株を中心に外国株の配当金に対する税金の概要と、分散投資の必要性について解説します。

外国株に投資する人が増えている

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経済雑誌「日経マネー」が実施した「個人投資家調査2022」によると、20〜30年代の若年層を中心に外国株投資を始める人が増えています。調査のなかで先進国の株式で運用する投資信託やETF(上場投資信託)を保有する20〜30代が約4割に上ることが明らかになっています。投資経験6ヵ月未満の初心者の保有比率も3割を超えているので、外国株に着目して投資する人が増えている実態が浮かびます。

外国株への投資が増えた背景にはいくつかの理由があります。1つは、大手ネット証券が外国株の売買手数料を大幅に引き下げたことや、保有コストが安い投資信託やETFが増えたことです。コストダウンにより、これまで取引コストが高いイメージだった外国株を見直す投資家が増えたようです。

2つめの理由が、ここ数年米国株式市場が堅調な動きを示したことで、日本株のパフォーマンスを上回る米国株が魅力的な投資対象だったことです。5大IT企業群のGAFAMや自動車のテスラなど、米国株式市場には国際優良企業が多く上場しているため、国際分散投資の対象として外国株をポートフォリオに組み入れる投資家の動きもあるようです。

外国株の魅力は連続増配企業が多いこと

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米国を筆頭に、外国企業は連続増配する企業が多く、長期保有することで年々利回りが上がっていきます。米国株式市場では配当金を50年以上連続で増配している企業を「配当王」、25年以上連続で増配している企業を「配当貴族」と呼んでいます。

2023年5月26日現在(「投資の森」調べ)、最も長く増配を続けているのは、アメリカン・ステイツ・ウォーターで69年連続増配を継続しています。そのほか有名企業ではP&G(67年)、スリーエム(65年)、コカ・コーラ(61年)、ジョンソン&ジョンソン(61年)、ペプシコ(51年)、マクドナルド(48年)などが配当王または配当貴族として認定されています。

これらの銘柄を購入し、そのまま保有し続ければ買値自体は変わらないため、年々利回りは上がっていきます。ただし、外国株の配当は為替相場に影響を受けるので、円高なら手取り配当金は減り、円安なら増えます。日本株のように連続増配のメリットを100%受けることができない場合があることを考慮する必要があります。

外国株の配当は二重課税されるケースもある

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配当金が魅力の外国株ですが、日本株の課税方法と異なるのであらかじめ把握しておくことが大切です。租税条約によって定められた源泉徴収税が当該国で課税されます。

例えば、米国株の配当金を受け取る場合は、まず米国内で租税条約に基づいた税率(10%)で源泉徴収されます。続いて米国で課税された配当金に対し、国内で20.315%(復興特別所得税含む)が課税されるため、二重課税となります。

したがって、NISA(少額投資非課税制度)口座内での配当金受け取りであっても、海外現地での源泉徴収税額分は差し引かれてしまいます。

ただし、二重課税された場合は「外国税額控除」の制度を使って、外国で課税された税額を所得税・住民税から差し引くことができます。外国税額控除を利用するには、総合課税または申告分離課税を選択して確定申告する必要があります。

外国株は国によって課税方法が異なる

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外国株は国によって課税方法や税率が異なるので、証券総合口座を持つ証券会社のホームページで確認する必要があります。

例えばSBI証券が取り扱っている国の例では、以下のように租税条約により現地での源泉徴収税率が決まっています。非課税の国と10〜15%源泉徴収されるケースに分かれます。

国名現地での課税方法
米国租税条約によって定められた源泉徴収税率で課税される。米国企業の場合10%
中国非課税。ただし、H株(中国国有企業)・レッドチップ(中国本土企業の香港法人)銘柄の配当金に対しては10%が源泉徴収される
韓国租税条約によって定められた源泉徴収税率で課税される。原則として15%。KDRやETF等の銘柄では税率が異なる場合がある
ロシア租税条約によって定められた源泉徴収税率で課税される。ロシア企業の場合15%
ベトナム非課税
インドネシア租税条約によって定められた源泉徴収税率15%で課税
シンガポールシンガポール株式は非課税。上場投信や外国企業の配当金は課税の場合あり
マレーシア原則非課税
タイタイ株式への課税はタイ国内法により10%課税
※SBI証券の例であり、証券会社によって扱う国が異なります。

参考:SBI証券「外国株式の配当金・分配金に対する税金の取扱いはどうなりますか?(現地での源泉徴収税率等)

政府のNISA枠拡充で外国株に投資する余裕ができた

政府は2024年からNISAの非課税枠を拡大する新NISA制度をスタートさせます。注目すべきはこれまで120万円だった一般NISA枠が成長投資枠として240万円に倍増されることです。また、これまで40万円だったつみたて投資枠は120万円と3倍増になります。非課税保有限度額も1,800万円とかなり大きな金額です。

さらに特筆すべきは、現NISAではつみたてNISAと一般NISAは併用できませんが、新制度ではつみたて枠と成長投資枠を併用することができる点です。年間最大で360万円まで非課税で投資できるのは、個人投資家にとって大きなメリットといえます。しかも、これまでの制度のように口座開設期間に期限はなく、恒久化されます。非課税保有期間も無期限化されるので、歴史に残る証券税制改革といってよいでしょう。

NISA普通枠の非課税枠が拡大されることにより、国内株のみで投資していた人も外国株に投資する余裕ができます。この改革により、これまで株式投資を行っていない人の新規参入が増えることが期待されます。

マンション投資と高配当株投資を併用する分散投資も有効

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マンション投資と株式投資は一見すると関連がなさそうですが、実はマンション投資家にとっても、株式投資は検討する必要があります。なぜなら、経営が軌道に乗ってきた場合、次の物件を購入するための資金を運用するのに、有利な投資先となり得るからです。

投資を行う場合、単一資産に資金を集中させるのはリスクが高くなります。マンション投資でどんなに好立地物件を保有していたとしても、空室が出る可能性はゼロではありません。不動産のほかに金融商品にも分散投資しておくことは、安定したポートフォリオの形成につながります。

株式投資では、外国株と日本株を問わず3〜5%程度の高配当を実施している銘柄は多数存在します。投資する場合に大事なのは、資産を減らすリスクが少ない安定高配当株を選ぶことです。米国株の連続増配銘柄のほか、日本株ではトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャルグループ、三菱商事、ファーストリテイリング、NTTなど各業界を代表するような優良銘柄であれば、そう大きな業績の悪化は考えにくいので、減配されるリスクは低いでしょう。

マンション投資で長期的な資産を築きながら、高配当株式への投資で運用資産を増やすことは、マンション経営拡大のためにはプラスになることでしょう。

※本記事は2023年6月1日現在の情報をもとに構成しています。記事中の銘柄は一例ですので、参考程度にお考えください。

(提供:Incomepress



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