総括
FX「6月最強通貨。明るい兆しも少し出てきた」南アランド見通し
「通貨11位、株価12位」
「予想レンジ 南アランド円7.4-7.9」
(ポイント)
*6月最強通貨、後半は小緩む
*次の大きな焦点は7月20日の政策金利決定
*停電問題は少し改善
*消費者物価は低下
*Q消費者信頼感指数は悪化
*4か月連続で貿易黒字
*中国、オランダ、デンマークが電力問題で支援
*対米関係修復出来るか
*今年は0.3%の小幅成長か 電力不足が不透明要因
*ランド急騰の要因はインベストメントバンクの買い推奨
*1Qはリセッションを回避
*難題(停電、グレーリスト入り、中国・ロシアへの接近で対米関係悪化)
*IMFは成長見通し引き下げ
*南アの最大貿易相手国は輸出入ともに中国
*インフレ率は23年は5.4%、24年は4.8%と予想(中銀)
(6月は最強通貨、少し明るい兆しが出る)
13日連続陽線で6月19日には7.823をつけた。1月につけた年初来高値の7.847を超えることは出来なかったが、6月月間では最強通貨となった。インベストメントバンクがランド国債の買いを推奨、さらに1QのGDPは0.4%増加しリセッションを回避、4月景気先行指数も前期比1%低下だったが3月の2.2%低下から改善するなどファンダメンタルズの改善がついてきた。
(消費者物価は低下。次回政策金利は0.25%利上げか据え置きか)
5月消費者物価は前年比6.3%上昇で前月の6.8%、予想の6.5%を下回った。食料と燃料価格の下落により大幅に低下した。コアも5.2%上昇と前月の5.3%を下回った。インフレターゲットは3-6%なので上限に近づいてきた。タカ派の中銀も利上げ休止とする可能性も出てきた。それもランドが売られた要因だ。5月卸売物価は前年比7.3%上昇で前月の8.6%から低下した。
ただ中銀はタカ派の姿勢を大きくは崩していない。クガニャゴ中銀総裁は、持続的なインフレを抑制するため、金融引き締め政策を長期間続けると述べた。総裁は「疑いの余地のないことは、市場が実際に織り込んでいた期間よりももう少し長く政策は引き締めを続けなければならないということだ」と語った。先月のインフレ率は6.3%で予想より鈍化し、13カ月ぶりの低水準となった。それでも、インフレ率はここ1年、中銀の目標範囲を上回っている。総裁は、FRBに従い7月の会合で利上げを一時停止するかどうかを判断するのは時期尚早だと述べた。市場の予想も利上げと据え置きで半々だ。
(その他指標)
また2Q消費者信頼感指数はマイナス25で前期のマイナス23から悪化した。5月貿易収支は102億ランドの黒字、4か月連続の黒字となった。
(電力問題にも明るい兆し)
電力問題では中国が太陽光パネル設置で、オランダ、デンマークは水素発電で支援する。グリーン水素プロジェクトを促進するため、オランダ、デンマークの支援を受けて新たな180億ランドの基金を設立した。停電状況も改善している。エスコムは今週のほとんどの日で負荷制限を一時停止する予定。利用可能な発電容量が安定しているためだ。