小売市場は2020年に約140兆円

このような背景から、ソフトバンク・XiaomiのようなIT企業だけでなく、小売各社もインドに熱い視線を投じている。IBEF(インド・ブランド・エクイティ基金)は、同国の小売市場は2020年に約140兆円(2012年は約55兆円)に達するとの見通しを出しており、インド小売市場の急速な成長を予測している。実際、インドの大都市では、中間層や富裕層向けに大規模ショッピングモールの開業が相次ぐ。東洋経済の記事の中でジェトロ海外調査部・古屋礼子氏は、「5月のインド下院総選挙が終わるタイミング(規制緩和などを通じてビジネス重視の姿勢を強めるモディ政権の発足)を待って外資系企業が動きだした」と述べている。外資では『ZARA』を展開するスペインのインディテックスが有力財閥のタタグループと組み2010年に出店し、2014年1月現在では14店を展開するという先行例もある。


政権交代で成長が更に加速

直近の展望として、世界銀行が今秋に発表した南アジア経済報告によれば、2015年度(16年3月まで1年間)、16年度のインドの成長率が、それぞれ6.4%、7%まで加速するとの見通しを示した。政権交代に伴う構造改革に加え、鉄道や防衛分野への外資開放、用地取得手続きの簡略化、労働法の改革などがインドの成長ペースを加速させると強調した。
インドは2012年に小売業の外資規制緩和を進めたが、現在のモディ政権はさらに保険や鉄道、防衛などで外資誘致を積極的に進める一方、現地報道では小売市場、特に『キラナ』と呼ばれる1,000万店以上も存在する家族経営の零細雑貨商店のさらなる開放には後ろ向きな姿勢を見せている。
チェーン系リテールの業種、業態が増え、かつ消費者の購買行動もチェーン系店舗での購入を楽しむような行動変化もみられる。インドのリテール構造もまさに変化の真っただ中の今、今後のインド市場の飛躍が注目される。

(ZUU online)

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