主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年7月25日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼24日(月)の為替相場
(1):独7月総合PMI、1年半ぶりに好不況の分岐点を下回る
(2):英PMI予想に届かず、ポンド売り強まる
(3):米PMI悪化もユーロ圏や英国に比べると底堅い
(4):リスク選好の動きで豪ドル上昇
▼24日(月)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:大幅に上伸する公算は小さい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
24日(月)の為替相場
期間:24日(月)午前7時00分~25日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):独7月総合PMI、1年半ぶりに好不況の分岐点を下回る
独7月製造業PMI・速報値は38.8と市場予想(41.0)に反して前月(40.6)から低下。同サービス業PMI・速報値も52.0と予想(53.1)および前月(54.1)を下回った。この結果、独7月総合PMI・速報値は48.3となり、1月以来6カ月ぶりに好不況の分岐点とされる50.0を割り込んだ。これを受けてユーロは売りが強まった。その後に発表されたユーロ圏7月製造業PMI・速報値は42.7(予想43.5、前月43.4)、同サービス業PMI・速報値は51.1(予想51.6、前月52.0)だった。
(2):英PMI予想に届かず、ポンド売り強まる
英7月製造業PMI・速報値は45.0と市場予想(46.0)に届かず前月(46.5)から低下。同サービス業PMI・速報値も51.5と低調だった(予想53.0、前月53.7)。これを受けてポンドは下げ幅を拡大した。
(3):米PMI悪化もユーロ圏や英国に比べると底堅い
米7月製造業PMI・速報値は49.0と予想(46.2)を上回り前月(46.3)から上昇。一方、同サービス業PMI・速報値は52.4で市場予想(54.0)および前月(54.4)を下回った。サービス業PMIの低下を受けてドル/円は一時下落したものの、ユーロ圏や英国のPMIとの比較では底堅さを維持しているとの見方からユーロやポンドに対してドルが上昇するとドル/円にも買い戻しが入った。
(4):リスク選好の動きで豪ドル上昇
良好な企業決算を好感してNYダウ平均が11連騰に向けて上昇するなど米国株が堅調に推移した他、NY原油(WTI)が中国の景気刺激策導入への期待から一時1バレル=79ドル台へと上昇。リスク選好の流れに沿って豪ドルが上昇した。