主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年7月26日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼25日(火)の為替相場
(1):中国人民銀行 対ドル基準値を元高方向に設定
(2):独IFO 8カ月ぶりの低水準
(3):IMF 年内の成長見通しを上方修正
(4):米消費者信頼感は上振れもドル買いは一時的
▼25日(火)の株・債券・商品市場
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25日(火)の為替相場
期間:25日(火)午前6時10分~26日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国人民銀行 対ドル基準値を元高方向に設定
前日に中央政治局会議が内需拡大に注力する方針を示したことで近く支援策が発表されるとの期待が高まる中、中国人民銀行(PBOC)は人民元の対ドル基準値を元高方向に設定。ドル/円は元高・ドル安の影響で弱含んだ。一方、元高につれて豪ドルが上昇したため豪ドル/円は強含んだ。
(2):独IFO 8カ月ぶりの低水準
独7月IFO企業景況感指数は87.3と市場予想(88.0)を下回り、2022年11月以来8カ月ぶりの水準に低下した。また、欧州中銀(ECB)が発表した4-6月期銀行貸出調査で、ユーロ圏の企業の融資需要が過去最大の落ち込みを記録したことが明らかになった。これらを受けてユーロは下落した。
(3):IMF 年内の成長見通しを上方修正
国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通し(WEO)を公表。今年2023年の世界経済成長見通しを4月時点の2.8%から3.0%に上方修正した。来年2024年については3.0%の見通しを維持。IMFは世界経済についてやや楽観的になっているものの、パンデミック以前の20年間の平均成長3.8%と比較すると成長は弱いとして、成長に対するリスクバランスは依然として下向きとの見解を示した。国別では米国の23年の成長見通しを4月時点の1.6%から1.8%に上方修正。日本は1.3%から1.4%へ引き上げた。中国は5.2%の前回予測を据え置いた。ユーロ圏は0.8%から0.9%へ上方修正したがドイツについては-0.1%から-0.3%へ引き下げた。英国は-0.3%から0.4%へ大幅に上方修正した。
(4):米消費者信頼感は上振れもドル買いは一時的
米7月消費者信頼感指数は117.0と市場予想(112.0)を上回り、2021年7月以来2年ぶりの水準に上昇した。力強い雇用とインフレの緩和に支えられて米国の消費者心理が上向いていることが示された。ただ、米連邦公開市場員会(FOMC)の政策発表を翌日に控えてドル買いは一時的だった。その後、ロンドン・フィキシングに向けたドル売り観測などからドル/円は反落した。