あなたはどちらのタイプの不動産投資家?

不動産投資家は大きく2つのタイプに分けられます。同じ不動産投資でも目標や枠組みが変わってきます。1つ目のタイプは「おこづかい稼ぎ感覚」で不動産投資をする方です。このタイプは1戸、2戸の物件を所有して満足します。「本業のプラスアルファになればいい」「将来の年金のちょっとした足しになればいい」という考えを持っています。

2つ目は「まとまったリターンのため」に不動産投資をする方です。長期的な計画を立て所有物件を増やしていきます。このようなタイプの方は、「サラリーマンを早期リタイアしたい」「リタイア後に余裕のある暮らしをしたい」という考えを持っている傾向です。

所有物件を増やすことで経営が安定化する

安定経営の観点でいえば、「まとまったリターンのため」に不動産投資をするほうが有利です。所有物件数が少ない「おこづかい稼ぎ感覚」の方は空室が発生すれば大きなダメージを受けます。1戸所有で空室が発生すると空室率100%です。2戸所有で1戸空室が発生すると空室率50%になってしまいます。

これに対して所有戸数が多い「まとまったリターンのため」に不動産投資をしている方は、一部に空室が発生しても全体への影響は限定的です。そのため「規模を拡大すること」が不動産投資を安定させる一つの王道パターンといえるでしょう。実際に最初は1室のオーナーからスタートして、10室、20室を所有しているサラリーマン大家もいます。

金融機関から信頼されるオーナーの鉄則

所有戸数を増やしていくフローはシンプルです。早い段階で数戸の区分マンションを所有し、残債が減ってきたら新たな物件を購入します。家賃から得られる利益を繰上返済に回して、はじめに買った物件の残債を減らすスピードを早め、また新たに物件を購入するといった好循環をつくっていきます。

この好循環をつくれるかどうかは、金融機関からの融資をスムーズに受けられるかが鍵を握ります。いくら利回りが高い物件、掘り出しモノの物件を見つけても、融資が通らなければ1円も稼げません。それでは、どうすれば融資交渉が上手くいくのでしょうか?融資は「物件評価」と「オーナーの信用力」によって審査されます。物件評価はシンプルです。購入しようとしている物件の価値が高いほど(立地、築年数、入居率、キャッシュフローなど)融資額が増えます。

一方のオーナーの信用力は、勤めている会社・勤続年数・直近3年の収入・役職などの基本情報に加え、クレジットなどの借り入れ状況もチェックされます。また、金融機関はオーナーの経営者としての資質もチェックしています。これはたくさんの戸数を所有したり、一棟物件を購入したりするときには特に重視されます。ちょっとしたことでも事実と違うことを話したり、無責任な態度をとったりすれば融資を断られる原因となりかねません。

法人化で不動産投資のメリットを最大化

「まとまったリターンのため」に不動産投資をする方は、法人化することで経営効率を高めることができます。法人化するメリットとしては「節税」がよく言われます。これは個人の所得税と法人税を比べると、法人税の課税額が少ないからです(ただし、一定の収入を超えてきた場合)。所有物件を増やすという視点では、「融資額が増える」という法人化メリットも見逃せません。個人よりも法人で経営をしているほうが、融資の枠が大きくなる傾向があるからです。

法人化のタイミングは、節税という視点で考えると、「給与所得2,000万円かつ不動産収入600万円超え」が目安といわれます。融資の枠を大きくして、大規模な物件を買ったり、戸数を増やしたりすることを重視するのであれば、早いタイミングでの法人立ち上げが有利です。

RENOSYマガジン編集部
「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。