◉成長戦略第1弾
③の第3の矢は、都合3回にわけて発表されています。そこで、まず第1弾から振返ってみましょう。
以下は4月19日に発表された第1弾成長戦略のまとめになります。
(1)「健康長寿型社会」から創造される成長産業
iPS細胞を代表とする再生医療・創薬の分野の“研究”では、日本は世界のトップにいます。しかし、“実用化”では大きく出遅れています。
このような現状の改善を目指し、心臓ペースメーカーなどを除いて民間の第三者機関の認証も認めることで審査のスピードアップを図るなど規制緩和を目指しています。
(2)全員参加の成長戦略(雇用促進)
雇用を増やしている成長産業に、スムーズに人材を供給することを目指しています。
企業が従業員を訓練する際に支給される労働移動支援助成金を大幅に増やすなどが期待されています。
(3)世界に勝てる若者育成
企業が求めている国際社会で活躍できる人材の育成を目指します。
(4)女性が輝く日本
社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%とすることを目標に掲げています。
◉成長戦略第2弾
続いて、5月17日に発表された成長戦略第2弾のまとめになります。
(1)世界に勝てる大学改革
日本の大学もビジネスを生み出せる存在となるため、出資が可能となるような規制改革を進めます。
(2)農業改革
農業が加工や販売なども手がけるいわゆる「6次産業化」を進め、現在1兆円の「6次産業化」市場の規模を10年間で10兆円に拡大していくことを目指します。また、農地の集積などで意欲ある担い手の農地利用を促し、生産性の向上を図ります。
(3)観光立国
年間の訪日者数1000万人を目指して、ビザ発給要件を緩和する考えです。
外国人観光客の誘致には、日本の文化やファッション、アニメなどを発信する放送コンテンツの海外展開が有効だとし、500億円規模の官民ファンド「クールジャパン推進機構」を発足させることも表明しました。
(4)設備投資の促進と特区の拡充
従来は主に地域が対象だった特区制度に加え、個別企業が求める規制緩和策を特例で認める「企業実証特例制度(仮称)」を設け、一定期間後、政府が有効と判断すれば、全国展開できるようにしていくそうです。