昨年の12月の政権交代以降、為替レートが急激な円安となり平均株価も大きく高騰しました。安倍首相の経済政策、通称「アベノミクス」も第1の矢、第2の矢が実行に移され始め、日本経済の先行きに希望の光が射し始めたように見えます。

しかし、6月5日に発表された安倍首相の成長戦略(通称第3の矢)を受けて、その内容への失望から市場は大きくその値を下げるなど、依然予断を許さぬ状況が続いています。

参考:東証株価:アベノミクス成長戦略に失望売り終値518円安

果たして、アベノミクスは日本を本当に変えるのでしょうか。
大きなテーマであり簡単に答えの出る問題では無いですが、今回の記事ではこれまでに発表された成長戦略の概要をまとめることで、アベノミクスの今後を考えるヒントをお届けしたいと思います。

【参考:アベノミクス関連記事】

アベノミクスへの評価と投資環境への影響~シンガポールから考える投資アイデア~
アベノミクスは本当に日本を変えるのか?〜希望とその副作用〜
アベノミクスで恩恵を受ける関連銘柄のまとめ [前編]〜円安とリフレで潤う企業〜
アベノミクスで恩恵を受ける関連銘柄のまとめ [後編]〜減税や公共投資で潤う企業〜


◉アベノミクスの振返り


アベノミクスについては多くの注目が集まり様々な解説がされていますが、その中心は

①インフレ目標2%を設定し、目標達成まで無制限に金融緩和を行う大胆な金融政策

②公共事業で経済を浮上させカンフル剤の役割を果たす機動的な財政政策

③健康・エネルギー・次世代インフラ・農林水産業の四分野に重点を置き企業の競争力向上や技術革新を後押し、民間投資を喚起する成長戦略

の3つを骨子としています。

特に、①による円安効果は大きく、4~12月期決算時点(今年3月末までに開示された業績修正を一部含む)に示された25年3月期業績予想と実際の決算を比較したところ、全体の72%の943社で経常利益が予想を上回り、最終利益の段階でも、930社が予想を超える利益を計上しています。
具体的には、三井化学の経常利益が事前予想の30億円から約3倍の92億円に拡大しました。また、ソニーや三菱電機、三菱自動車も、予想値を5割以上上回る利益を計上するなど、輸出関連企業を中心に大幅に収益が上がりました。全体の利益総額でも、経常利益は予想比9.1%増、最終利益も同7.4%増となり、アベノミクスが企業業績の追い風となったことがわかります。

これまで①と②、通称第1の矢と第2の矢は実施され、残る第3の矢にも注目が集まっていました。