◉成長戦略第3弾と成長が期待される関連銘柄


続いて6月5日に発表された成長戦略第3弾の内容も踏まえ、今後アベノミクスが順調に成し遂げられた場合に成長が期待される関連銘柄を掲載します。

(1)「医療機器・サービス関連」

厚生労働省の調べによると、医療機器の2011年の生産金額は前年比5.5%増の1兆8084億円と2年連続で増加。少子高齢化を背景に国内の医療関連分野は成長市場です。政府も医療分野を戦略産業として育成する司令塔として2月に「健康・医療戦略室」を立ち上げました。また、医療関連機器やサービス輸出を目的に、官民共同の組織立ち上げも決定。医療機器メーカーを中心に18社が参加し、成長市場の新興国などでの販売を後押ししています。

そんな状況であるこの部門の関連銘柄は、

エムスリー(2413) :医師向けの情報サイトで全国の医師の約8割が会員

シップヘルスケアホールディングス (3360):病院の建て替えや新築開業時の経営コンサルティングを提供

ホギメディカル (3593):手術室運営に貢献する「オペラマスター」を展開

総合メディカル (4775):医療器材レンタルからの医師の転職支援・開業コンサルを展開

日本光電 (6849):生体情報器材を手がけ脳波計では世界トップクラス

シスメックス (6869):血球計数検査機器を手がけ脳波計では世界トップクラス

トプコン (7732):眼底カメラでは世界トップクラスの実績を有する

オリンパス (7733):内視鏡で世界トップクラスシェア

大研医器 (7775):吸引物を空気に触れさせずに処理する吸引器でシェアを伸ばす

(2)「インフラ輸出」

第3の矢である成長戦略の柱に掲げられているのがこの「インフラ輸出」です。主役となるのはゼネコンや重電などいわゆる“重厚長大”産業です。また、政府は、原油や液化天然ガス(LNG)の産出国向けに日本のインフラ技術の輸出をパッケージとして売り込んで燃料価格の引き下げにつなげることや、政府開発援助(ODA)とインフラ輸出を絡めることも検討しています。株式市場でも関連銘柄が物色される可能性があります。ここでこの部門の関連銘柄についてまとめます。

大成建設 (1801):非同族。業界大手の一角。道路事業を完全子会社化。不動産縮小。海外受注は建築軸に立て直し

大林組 (1802):関西から首都圏で都市開発に積極的。大手の一角。海外は北米、アジア進出。不動産開発を強化

五洋建設 (1893):海上土木首位。準大手級に躍進の原動力だった国内建築拡大路線を変更。海外大型受注に注力

コマツ (6301):建設機械で世界2位。中国などアジアで首位。IT活用強み。基幹部品は日本、組み立て現地化

日立建機 (6305):油圧ショベル軸に国内2位、世界3位圏。米欧亜含む最適生産体制推進。日立製作所と連携強化

クボタ (6326):農業機械、鋳鉄管とも国内トップ。建機、エンジンにも地盤。環境プラントは民需、海外を強化

日立製作所 (6501):総合電機・重電首位で事業広範囲。総合路線見直し、インフラ系重視の戦略に。海外事業を拡大

東芝 (6502):総合電機大手。NAND型フラッシュメモリと社会インフラが軸。傘下に原子力の米国WH社

三菱電機 (6503):総合電機大手。FAが収益柱。空調「霧ヶ峰」や太陽光発電を含む家電、電力用半導体に特長

川崎重工業 (7012):総合重機大手で陸海空に展開。鉄道車両、中型ガスタービン、油圧機器、大型バイク等に強み

日本車輌製造 (7102):JR東海傘下。鉄道車両メーカー最大手。輸送用機器、建機、鉄構、プラント等へも多角化

住友重機械工業 (6302):変減速機、射出成形機に強い。建設機械やがん治療システム、タンカー造船等も。利益重視経営

三菱重工業 (7011):総合重機トップ。発電所用の大型ガスタービンをはじめ、航空宇宙・防衛・産業機械等で他を圧倒

IHI (7013):総合重機大手。航空エンジン、大型ボイラー、LNGタンク等に強い。JFEと造船事業統合

日揮 (1963):エンジ国内首位。石油、化学、天然ガス施設に豊富な実績。資源等への投資事業も。配当性向25%

東洋エンジニアリング (6330):エンジ大手。現三井化学の工務部門が発祥。化学肥料や石油・石化施設が得意。大半が海外工事

以上でアベノミクスについてのまとめとなります。
今後の動向について、またの機会に書けたらと思います。

BY T.O