不労所得の種類・取得方法について |
不労所得とは:労働の対価以外としての所得を得ること |
不労所得の種類:利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・譲渡所得・一時所得・雑所得など |
不労所得を得る方法:コンテンツをつくる・事業をつくりだす・お金を運用するなど |
サラリーマン向きの不労所得:家賃収入などが見込める不動産投資 |
目次
本コラムでは不労所得の種類や獲得するための仕組みをサラリーマン向けに解説する。
不労所得の種類:利子所得・配当所得・雑所得など
不労所得とは、労働の対価以外の所得を得ることである。「パッシブインカム」と呼ばれることもある。近年は、仕事を辞めて不労所得のみで生活するFIREを目指す人が増えているという。不労所得には利子所得や配当所得といった種類がいくつかあるが、不動産所得や事業所得の場合、内容や規模によっては不労所得と呼べないケースもある。
イメージ的に不労所得と呼べる一例は、以下の通りだ。
利子所得
銀行預金や公社債の利子、公社債投資信託など運用収益から得られる分配金などが該当する。配当所得
株式投資で投資した企業から年1~2回程度得られる配当金が該当する。不動産所得
不動産を貸し付けて得た家賃収入が該当する。サラリーマンが区分マンション1室を不動産管理会社へ管理委託して手間をかけずに家賃収入を得るケースは、不労所得と考えることができる。事業所得
例えば、個人が動画コンテンツ制作を事業として行う場合が該当する。動画を配信するまでの制作自体は労力を要するが、配信後の広告収入などは、不労所得といえるだろう。譲渡所得
株式投資で買値より高い株価で売れた場合に得る売却益などが該当する。不動産投資の売却益も同様だ。一時所得
競馬の払戻金が該当する。競馬は、毎回当たるとは限らず、たまたま当たったときに得た収入であるため、一時所得となる。他に生命保険の給付金や懸賞や福引きの賞金などがある。また一時所得の合計が年間50万円以内であれば確定申告は不要だ。雑所得
年金収入やフリマアプリで売った商品の売上金などが該当する。サラリーマンの場合、給与所得以外で他の雑所得とあわせて年間20万円以内であれば確定申告不要だ。ただし、別途住民税の申告は必要になる。
不労所得を得る方法
不労所得を得るには、主に以下の方法が考えられる。クリエイティブな才能が求められるものもあるため、苦手な人はお金を運用することで不労所得を得るのもよいだろう。
コンテンツをつくる
近年注目を集めているのはWebのコンテンツづくりである。インターネット全盛時代であり、ヒットすれば収入を得られるのがWebコンテンツの世界だ。TwitterやFacebookなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、YouTubeなど動画系のコンテンツが高い人気を誇っている。例えば動画コンテンツが人気となれば、億単位の再生回数を記録するものも少なくない。
広告収入を得る諸条件をクリアしていれば、動画による収益化が可能だ。アフィリエイト狙いのコンテンツもある。ネットのブログに広告を掲載し、読者が訪れたり広告をクリックして商品が売れたりした場合にブログの管理人へ報酬が支払われる仕組みだ。
事業をつくりだす
自分で事業をつくりだすという方法もある。例えば、コンテンツの制作方法がわからない人にコンテンツづくりのコンサルティングを行い、対価を得ることも時流にマッチした事業といえるだろう。またコンテンツ内で自分が書いた書籍や制作した電子マニュアルなどを販売している例もよく見かける。音楽も含め電子媒体であればダウンロード販売も可能だ。
そのため通常の通販に比べて梱包や発送の手間がかからないのは大きなメリットといえる。
お金を運用する
「お金に働いてもらう」という言葉があるように、投資によって不労所得を得るのもスタンダードな方法といえる。代表的なのが株式投資と不動産投資だ。株式投資の個別株には、5%を超える配当利回りの銘柄もあるため、売買しなくても保有しているだけで年1~2回程度の不労所得として配当金が入ってくる。
不動産投資も家賃収入が毎月入ってくるため、空室が出ない限り継続的に不労所得を得ることが可能だ。しかも融資を受けて物件を購入した場合、ローンの返済は家賃収入から行うことから、他人のお金に働いてもらう特殊な不労所得という要素もある。また、管理を委託している場合、管理委託費の支払いや一定の経費が発生する。
ロイヤリティ収入を得る
ロイヤリティ(royalty)収入とは、特定の知的財産(例:楽曲、書籍、特許)の使用権を他者に許可することによって得られる収入である。具体的には「特許権使用料」「著作権使用料」などであり、書籍や歌詞の印税は「著作権使用料」に当たる。
ロイヤリティ収入は一朝一夕には実現できない上に、仮に書籍を出版できたとしてもまったく売れなければ印税も少なくなることは覚えておきたいところだ。ロングセラーになれば大きな利益が生まれる可能性はある。
エンジェル投資家になる
起業して間もないスタートアップ企業に出資するのがエンジェル投資家だ。その企業のビジネスに将来性、新規性を感じた場合に出資を決め、その企業から株式を受け取ったり、狙い通りに成長したら配当を受け取ったり、上場した際に株を売却して売却益を得ることが可能だ。ただし、利益が得られないリスクもあるため注意が必要だ。
エンジェル投資家は欧米には多く存在する。一方で日本ではまだ馴染みが薄いものの、最近では企業とエンジェル投資家をマッチングするサイトなども出始めている。
不労所得が生まれる仕組み
不労所得は、どのようにして生まれるのだろうか。ここでは、YouTubeや株式投資、不動産投資で不労所得が生まれる仕組みを確認しておこう。
YouTubeで広告収入が入る
YouTuberと呼ばれる人たちが動画で稼ぐ方法はいくつかある。そのなかでも最もポピュラーなのがYouTubeのコンテンツの最初や途中で流れるCMによる広告収入だ。視聴者がクリックした回数によって報酬が支払われ、単価は非公表だが0.1円程度といわれている。
100万回のクリックで10万円程度の収入を得られる計算だ。多いのか少ないのか微妙なラインだが、1億回クリックされる大ヒットが出れば1,000万円程度の報酬が入る可能性があるため、夢のある不労所得といえる。
株式投資で売買益、配当金が入る
株式投資の基本は、投資したい企業の株価が安いときに買って高いときに売ることだ。売却金額から取得金額を引いた差額が譲渡所得となる。
また企業によっても異なるが、業績に応じて年1~2回程度の配当金が支払われる。配当金を得るには、権利付最終日(権利確定日の2営業日前)までに株を保有していることが必要だ。ただし業績が悪化して無配となったり減配となったりする企業もあるため、すべての銘柄で配当金を得られるわけではない。
不動産投資で家賃収入が入る
不動産投資は、取得した不動産を第三者へ貸し付けて家賃収入を得るのが基本である。金融機関から融資を受けて物件を購入する投資家が多く、毎月のローン返済は家賃収入で行うことが一般的だ。他に入居契約時に家賃1ヵ月分程度の礼金、2年に1回程度契約を更新するたびに家賃1ヵ月分程度の更新料が期待できる。ただし、ローンの返済が家賃収入より多くなる場合や、経費や管理費、修繕費といった出費により家賃収入を上回る場合もあるため、必ずしも収入が得られるわけではない。
一棟物件の場合は、駐車料金を得られる場合もあるだろう。またローン完済後に物件を売却して売却代金を得ることもできるため、長期的な収入計画を立てることが可能だ。
サラリーマン向きの不労所得は不動産投資
サラリーマンが不労所得を得るのに向いているのが不動産投資である。まずサラリーマンにとって不動産投資を行うことは、副業として制限を受ける可能性が低い。本業に影響を与えないことが大事だ。
【関連記事】サラリーマンの不動産投資は副業になる?副業として制限を受ける可能性が低い理由を解説
サラリーマンが不動産投資に向いている理由の一つとしては、他の副業に比べて時間を取られずに行えることが挙げられる。不動産管理会社へ管理業務を委託すると入居者からのクレーム対応や家賃の集金など本来オーナーがやるべきことを任せることが可能だ。
ただし委託管理にしたとしても不動産会社との連絡や家賃振り込みの確認など賃貸経営のオーナーとしてやるべきことはある。そのため完全な不労所得にはならないことを心得て始めることが必要だ。
【関連記事】サラリーマンに不動産投資を勧める理由は?失敗しないためのポイントを解説
不動産投資には、以下のような種類がある。
・一棟投資
・戸建投資
・J-REIT(不動産投資信託)
・不動産クラウドファンディング
そのほか、駐車場経営やトランクルーム経営といった土地活用の方法も考えられる。
注意点を押さえて始めてみよう!
不労所得は、魅力的であるが以下の2つのような注意点もある。
一定の収入を得れば確定申告が必要になる
ごく小規模な収入であれば確定申告不要なケースもあるが、各所得区分ごとに定められた一定の金額を超えた所得があったにも関わらず申告しないと、脱税となる場合もあるので注意が必要だ。
何らかのリスクがある
国債や銀行の預貯金など元本が保証されているもの以外の不労所得には、何らかのリスクがあることを忘れてはならない。
例えば、株式投資では株を保有している間は配当金を得られるが、保有株式の株価が値下がりすれば含み損を抱えることもあるし、最悪元本割れすることもある。また不動産投資の場合、区分マンション1室のみ保有のケースでは空室になると一時的に家賃収入が途絶えてしまう。この場合、家賃が途絶えても毎月の返済は続くため、自己資金から賄うことが必要だ。
ただし対策を講じればリスクを下げることはできる。例えば、株式投資なら「業績の安定した優良株を選ぶ」、不動産であれば「空室リスクが少ない好立地物件など投資先を選ぶ」といった具合だ。対策を講じることで、リスクを下げることができるだけでなく、むしろチャンスは多いと考えられる。
サラリーマンが本業に力を尽くすのは当然だが、同時に不労所得を得る方法をつくることで定年後の生活を豊かにできることも事実だ。最適な方法として不動産投資を検討するのもよいだろう。
不労所得に関するQ&A
Q.不労所得の具体例は?
労働の対価以外で所得を得る主な方法は、株式投資(売買益や配当金)、投資信託、不動産投資、駐車場経営、FXや暗号資産、動画やWebサイトでの広告収入などがある。
Q.不労所得といえば何か?
不労所得とは、働いて対価を得る以外の収入のことを指す。働かずに収入を得るには「コンテンツをつくる」「事業をつくりだす」「お金を運用する」といったことが考えられる。
Q.不労所得はいくらまで非課税?
サラリーマンの場合、給与所得以外の所得合計が年間20万円以下、基礎控除額の48万円以下は非課税(所得税の申告が不要)である。ただし以下のケースでは確定申告が必要となるため注意したい。
・医療費控除を受けたい場合
・給与収入2,000万円超の場合
また不労所得が年間20万円以下であれば確定申告が不要というのは所得税の話だ。別途、住民税の申告は必要になるケースがある。年間収入20万円以下であっても確定申告しておけば、住民税の申告は不要になる。自営業・フリーランスの場合、金額にかかわらず所得があれば確定申告は必要になる。
Q.不労所得生活者とはどういう人か?
自分が働かなくても生活できる程度の収入がある人のことだ。具体的には、株式の配当金や売買益、不動産投資の家賃収入、動画などの広告収入などで得られる収益だけで暮らしている人のことを指す。
(提供:manabu不動産投資 )
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