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(画像=株式会社HANATOUR JAPAN)
李 炳燦(イ ピョンチャン)
株式会社HANATOUR JAPAN 代表取締役社長
1964年生まれ、韓国全羅南道出身。
96年に日本大学法学部を卒業し、同年3月、旅行会社である株式会社ワスに入社。
旅行会社の経験を経て、1999年8月に株式会社宇進を設立。
2005年9月に韓国の大手旅行会社であるHanaTour Service Incを親会社とし共同出資でHANATOUR JAPANを設立、2017年12月東証マザーズ(現 東証グロース)市場に上場、現在に至る。
株式会社HANATOUR JAPAN
2005年9月に設立。訪日観光客向けのインバウンド商品の各種手配業務や、法人・個人旅行客向けの旅行商品販売サイトの運営等を中心としたインバウンド事業を展開。
韓国を中心に、東南アジア、欧米等、世界中からの訪日観光客向けの団体パッケージツアーやインセンティブツアー、個人旅行客向け商品の手配、企画商品を取り扱っております。
世界の旅行者に「安全」で「感動的」な旅行(体験)を提供し、人々を幸せにすることを通じて、世界平和に貢献する事を目指しております。

目次

  1. これまでの事業変遷について
  2. 経営判断をする上で最も重視していること
  3. 経営者としてのルーツ、過去の経験から積み上がったご自身の強み
  4. 自社が今後関連していくテーマ
  5. 思い描いている未来構想
  6. ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

これまでの事業変遷について

冨田:まずはこれまでのご経歴や事業の変遷についてお伺いさせていただきたいと思います。

株式会社HANATOUR JAPAN 代表取締役社長・李 炳燦氏(以下、社名・氏名略):まず私自身の経歴からご説明します。私は1990年に留学で来日して、日本語学校に通ってから、大学に入学をしました。大学時代にはアルバイトで通訳ガイドをしていました。そして、1996年にインバウンドの旅行企業に入社し、韓国事業部を担当した後、1999年には独立し、インバウンド中心の会社を設立しました。

その後の2000年頃は、韓国からの訪日観光客が毎年増え続けたため、現在の親会社で韓国にあるHANATOURから日本の会社を作ろうという話が持ち上がり、2005年に合弁会社を設立しました。 その後、成長を続けるなか、リーマンショックが起こり大打撃がありましたが、その時には、日本のインバウンドに対するバスなどの需要が高まり、バス会社を買収しました。現在は観光バスを130台ほど運営しています。

2014年から再び投資を始め、2015年にはホテル事業にも進出しました。そして、2017年12月に日本における上場を果たしました。

冨田:なるほど、代表ご自身が日本と韓国の間をつなぐ役割を果たし、それがビジネスに発展していったわけですね。

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経営判断をする上で最も重視していること

冨田:これまでの経営判断において、何を特に重視されているのでしょうか?

:積極的に利益率の高い地域のマーケットを開拓していくことです。当社はHANATOURの関連会社のため、制限される部分もあります。また、親会社はアウトバウンド観光において既に非常に成長していたため、当社としても親会社の仕事をやればいい、というイメージがありました。しかし、私自身は外国のマーケットをさらに開拓しようと考えていました。具体的には、日本から離れているマーケットの開拓です。日本国内の情報は、日本から遠い国や地域ほど情報量が少なくなります。そのため、韓国や中国の比較的日本に近い国においては、情報が多く溢れているため、他社との競争も激しく利益率も低いのです。一方、日本から遠い地域ほど情報は少ないため、競合も少なく利益率が高いというチャンスがあります。このようなマーケットへの拡大を行ってきました。

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経営者としてのルーツ、過去の経験から積み上がったご自身の強み

冨田: これまでのお話において李社長ご自身の、過去のご経験やルーツがどのようなもので、それがどのような強みにつながっているのでしょうか。

: 毎日会社のことを考え、悩みや困難に逃げずに向き合っていることが私の強みだと思います。親会社があって当社があるのではなく、当社があるからこそ親会社が存在できるという強い意識を持って、課題に向き合っています。 1から10まで親会社の方針通りではなく、当社の将来を見据えて自分自身で決定した行動をとることが重要だと考えています。

自社が今後関連していくテーマ

冨田:では、今後御社が関連していくテーマについて教えていただけますか?

:今後のテーマとしては、年々増加している個人客のニーズに合わせた新しいマーケットの開拓に注力していきたいと考えています。

そのためには情報管理において、デジタル化が必要不可欠です。コロナ禍を経て、全社においてデジタル化に力を入れています。当社の業務の大部分を占めるオペレーションの仕事を効率化し、情報を一元化して共有することで、強い組織を作り上げています。 また、当社はインバウンド専門業者として、日本全国各地の商品を提供できる点が強みです。情報を蓄積していくことでもさらに強みを強化していきたいと考えています。

冨田:具体的にどのような戦略を立てていくのでしょうか?

:まずは、ホテルや観光地、食事などの情報を自動化することが重要です。また、当社はタクシーやバスなどの交通手段も持っており、これらを効率的に活用していくことが大切だと考えています。今後は、HANATOURの世界観の中でお客様が快適に旅行できるよう、さまざまなサービスを提供していきたいと思っています。

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思い描いている未来構想

冨田:今後のテーマとして、デジタル化など、全体の世界観についてお話いただいたんですが、御社における未来構想はどのようなものでしょうか?

:これから5年後、10年後も、継続して世界を変える発想を持ち続けられる会社になりたいと思っています。そのためには、今の若者が成長して発想力を持った社員に育っていく必要があると思います。また、想像力を生かせる新しい社員たちにどんどん入ってきてもらって、社員全員で未来を描くような会社になれば1番いいと考えています。

冨田:ありがとうございます。

ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

冨田:最後に、ZUU onlineのユーザーや投資家に一言いただけますか?

:これから日本の観光業界はどれだけ成長していくのかということに、関心を持っていただきたいと思います。去年は約2500万人の観光客が訪れましたが、今年は3500万人前後まで増えるでしょうし、これからもどんどん増えていくことが予想されます。日本は魅力的な国で、観光客にとっては様々な体験ができる国ですので、この日本の魅力をさらに多くの人に届けるために、インフラ整備をもっと進めるべきだと思います。もし投資家の皆さんがそういったことに関心を持っていただければ、これから5000万人、6000万人という観光客数が実現できると思います。

冨田:本日はありがとうございました。

氏名
李 炳燦(イ ピョンチャン)
会社名
株式会社HANATOUR JAPAN
役職
代表取締役社長