本記事は、名郷根 修氏の著書『10x 同じ時間で10倍の成果を出す仕組み』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

パソコンに向かう疲れた男性
(画像=Yasuyuki Wakao / stock.adobe.com)

「やりたくないこと」「不得意なこと」を我慢しながら成果は出ますか?

あなたは「やりたくないこと」や「不得意なこと」の仕事の割合はどのくらいですか?

あなたがふだんしている仕事の中で、「やりたくないこと」や「不得意なこと」の仕事の割合はどのくらいですか?

もし、「やりたくないこと」や「不得意なこと」の割合が半分以上を占めるとしたら、仕事の内容を見直したほうが良いでしょう。

「10倍の目標」を達成する2つ目のステップは、「好き」「得意」「人の役に立つ」「お金を生む」に特化する、です。「好き」「得意」の反対である「やりたくないこと」「不得意なこと」を我慢しながら、大きな成果を出し続けることはできません。

私自身もストラテジック・コーチ社の「10x アンビションプログラム」を受講したときに、ふだん行っている仕事の中で「やりたくないこと」や「不得意なこと」の仕事の割合を把握するペアワークをしました。

結果、「やりたくないこと」や「不得意なこと」の仕事の割合が半分以上あったのです。私とペアを組んだ相手に、「もっとユニークアビリティの仕事の割合を増やしたほうがいい」と真剣な顔で言われました。

一方、ペアワークで私と組んだ相手は「やりたくないこと」や「不得意なこと」をまったくしていませんでした。彼は10倍の成果を出しながら自分の裁量で自由な時間を持ち、仕事もプライベートも充実した日々を過ごしているとのことでした。

このワークを通して気づいたのは、ふだんの仕事で、自分が「やりたくないこと」や「不得意なこと」を思っていた以上にやっていたということです。

たとえば、私にとって販売データの集計は、自分が「好き」ではないけれども、経験を積んでほかの人より「得意」にすべき仕事として、やり続けていました。

しかし、販売データの集計は、自分にとって「好き」な仕事ではないので、この仕事をすると疲れてしまい、エネルギーの高い状態で続けていくことができません。

販売データの集計の仕事を「好き」で「得意」なユニークアビリティのあるチームメンバーに任せたら、自分はもっと生産性の高い仕事に時間を使うことができ、エネルギーを高く保ちつつ、より大きな成果を出すことができます。

そして、販売データの集計の仕事を任せられたチームメンバーは、私より速くデータの集計をし、さらに新しいツールを使って分析と報告まで創意工夫しながら行い、より質の高い成果物を生み出すことができます。

ビジネスをしている人は、人生の多くの時間を仕事に費やしています。

その時間で「やりたくないこと」や「不得意なこと」を我慢しながら続けるのか、それとも、「好き」で「得意」なことをエネルギー高く行うのかには大きな違いが生まれます。

「そんなこと言ったって、仕事なんだから『やりたくないこと』や『不得意なこと』もやらなくてはならないでしょ」
「やりたくないことはやらずに、好きなことだけやるなんて、そんな都合のいいわけにはいかない」
「不得意なことは努力して乗り越えるのが一人前の社会人なんじゃないか」

こんなふうに考える人も多いと思います。けれども、「やりたくないこと」や「不得意なこと」を我慢しながらやり続けなければならないという考え方は、モチベーションだけでなく生産性という点からも、効率も効果も低いと言わざるを得ません。

まずは「やりたくないこと」や「不得意なこと」を減らすことから

まずはふだんあなたが行っている仕事の中で、「やりたくないこと」や「不得意なこと」を減らして、自分が「好き」で「得意」なことを増やしてください。

その過程で、あなたが「やりたくないこと」や「不得意なこと」を任せられるユニークアビリティを持ったチームメンバーを探すことが次のステップになります。

最初は自分のユニークアビリティを明確にし、次にチームメンバーのユニークアビリティを把握して、それぞれがユニークアビリティを活かせるかたちを目指します。

とくに起業家や経営者、会社のリーダーが、いつまでも自分が「やりたくないこと」や「不得意なこと」をし続けていると、チームメンバーもそれを(悪い)お手本として「やりたくないこと」や「不得意なこと」を我慢してやり続けてしまいます。

そのため、 自らが率先して、「やりたくないこと」や「不得意なこと」を減らして、それらを「好き」で「得意」な人に任せてください。

このやり方をすぐに仕事に取り入れるのは難しいと感じるとしたら、手軽に試せる方法があります。たとえば、同居しているご家族やパートナーと、それぞれの「好き」と「得意」を活かして家事や家に関わる仕事を分担します。もし誰もが「やりたくないこと」や「不得意なこと」とする仕事があれば、外注できないかも検討してみてください。

きっと、そんな身近なことからも、あなたが「やりたくないこと」や「不得意なこと」について、「好き」で「得意」な人が行う生産性の高さに気づくことでしょう。

10x同じ時間で10倍の成果を出す仕組み
名郷根 修(なごうね・しゅう)
1978年生まれ、岩手県出身。米国戦略コンサルティングファーム、グローバル医療機器メーカー・フィリップスで勤務後、現在はグループ合計年商180億円の医療分野の会社・南部医理科とフィンガルリンクの経営に携わり、世界最先端の医療技術や製品の普及に努めている。
世界一の戦略コーチであり、Strategic Coach社を創設したダン・サリヴァン氏に師事し、同社が提供している10x Ambition Programを卒業した唯一の日本人。
会社経営者やエグゼクティブ、起業家を対象に、事業を10倍にしながら自由な時間を生み出す講座、仕事の生産性を上げることに特化したコーチングプログラムを提供している。
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