本記事は、山口 貴大氏の著書『月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=WS Studio 1985 / stock.adobe.com)

あえて全世界株式を選ぶ理由

S&P500が全世界株式よりも成績がよかったのはあくまで過去の話。今後もS&P500が世界最強の株価指数であり続ける保証はありません。

新NISAは20年、30年どころか、100歳まで一生涯、非課税運用を続けるための投資制度です。超長期的な視点で見たら、今後、アメリカに代わって巨大な人口を抱えるインドや中国といった新興国が世界経済の頂点に立っているかもしれません。

S&P500ではなく、全世界株式を選んでおけば、どの国の株式市場の調子がよくても、その恩恵を受けられます。全世界にベット(賭け)しているのでハズれることがない、というのが全世界株式の強みです。

カントリーリスクで悩まなくていい。国ごとの好不調を考える必要がない。
●資産を分散させることが安定運用につながることを説いた「現代ポートフォリオ理論」に近い運用ができる、

といった点が全世界株式を選ぶ理由になるでしょう。

先進国23、新興国24か国に分散投資

図31は、全世界株式の株価指数「MCSIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」の2022年9月末時点の国・地域別の構成比率です。

月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方
(画像=月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方)

米国の比率が62%ですから、全世界株式のインデックスファンドに投資していても資産の約6割前後は米国株で運用していることになります。

組み入れ比率の上位企業もアップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなどの「GAFAM」やエヌビディア、テスラなど米国の巨大IT企業がほぼ独占。

唯一、米国企業以外でトップ10入りしているのは、アップルのiPhoneを製造している世界一の半導体受託製造会社のTSMC(台湾積体電路製造)ぐらいです。

現代ポートフォリオ理論とは?

投資の世界では「卵は一つのかごに盛るな」といわれるように、運用資産を一極集中させず、分散して投資したほうがリスクは低いといわれています。

この分散投資の考え方をもとに、運用資産(=ポートフォリオ)のリターンとリスクの最適解を探るために構築されたのが「現代ポートフォリオ理論」です。1990年にノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコウィッツ氏が提唱しました。

理想的な投資は、価格変動リスクをなるべく抑えたうえで、投資収益を最大化することです。そのためには投資対象それぞれの価格変動率や組み入れ比率だけでなく、組み入れた投資対象同士の値動きの関係性にも配慮すべき、というのがその考え方です。

ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンという言葉もあるように、高いリターンを得るためには高いリスクをとらなければならない、といわれています。

現代ポートフォリオ理論では、さまざまな投資対象を組み合わせ、その組み入れ比率を調整することで、価格変動リスクをなるべく抑えたうえで高いリターンが得られるポートフォリオ構成を目指します。

ハイリスク・ハイリターンな商品Aとローリスク・ローリターンな商品Bを組み合わせると、期待リターンとリスク(価格変動率)の関係性は図32のような弓型の曲線で示されるといわれます。この弓型曲線を見ると、点Cまではリターンが高くなるのにリスクは減少していき、そこから先はゆるやかなカーブを描いてリスクが高くなっていきます。つまり、商品Aと商品Bの組み合わせ比率が点Cのレベルに達するまでは、「リスクが減少しているのに期待リターンは高くなる」という、投資家にとって理想的な分散効果が働く、ということです。

月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方
(画像=月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方)

全世界株式のインデックス「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」(ACWI)を算出しているMSCI社では、こうした現代ポートフォリオ理論の「最小分散ストラテジー」に基づいて、幅広く全世界株式に投資する銘柄のポートフォリオを作成していると、自社の指数ハンドブックで解説しています。

現代ポートフォリオ理論から見ても、米国株一極集中ではなく、全世界株式に幅広く分散投資することが、価格変動リスクを減らしたうえで最大限のリターンをとりにいくための最適解だといわれる理由になっているのです。

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月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方
山口 貴大(ライオン兄さん)(やまぐち・たかひろ らいおんにいさん)
金融・起業のマネースクール『Financial Free College』代表。SNSでは「ライオン兄さん」名義で活動。 ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン勤務をするが独立。金融・起業の書籍をむさぼり読みつつ、サービス業関連会社を興し、2018年に売却、その売却益を米国株を中心に運用し、経済的自由を獲得した。 同スクールは、「投資家が推奨するお金のスクール」、「未経験から学べるお金のスクール」、「結果が見込めるお金のスクール」の3冠を取得(日本マーケティングリサーチ機構調べ)。
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