外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2024年8月30日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼29日(木)の為替相場
(1):ドイツ各州のCPIが軒並み悪化
(2):米GDP上方修正
(3):ドルに調整売り

▼29日(木)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米経済指標へのドルの反応は長続きしない可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

29日(木)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

期間:29日(木)午前6時10分~30日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):ドイツ各州のCPIが軒並み悪化

独8月消費者物価指数(CPI)に先立って発表されたノルトラインウエストファーレン州やバイエルン州など主要州の8月CPIが軒並み前月比マイナスとなったことでユーロが下落。欧州中銀(ECB)の9月利下げが改めて意識された。なお、その後に発表された独8月CPI(EU基準)は前月比-0.2%、前年比+2.0%と前月の+0.5%、+2.6%から急減速した。市場予想(±0.0%、+2.2%)も下回った。ただ、独連銀のナーゲル総裁はその後、「物価安定のタイムリーな回復をあたり前に実現できると考えるべきではない」「我々は慎重になる必要があり、政策金利は急激に引き下げるべきではない」と利下げを急がない姿勢を強調した。

(2):米GDP上方修正

米4-6月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比年率+3.0%に上方修正(速報値+2.8%)。GDPの約7割を占める個人消費は前期比年率+2.9%へ大幅に上方修正された(速報値+2.2%)。同時に発表された米新規失業保険申請件数は23.1万件とわずかに市場予想(23.2万件)を下回り、前週(23.3万件)から減少した。米景気の底堅さを示す経済指標を受けてドルが上昇。ドル/円の145円台回復につれてクロス円も上昇した。

(3):ドルに調整売り

ロンドンフィキシング(日本時間24時)通過後にドルが反落。クロス円もつれて失速した。GDPの上方修正や新規失業保険申請件数の減少でも米9月利下げを巡る市場の見方に目立った変化はなかったことから、ドルに調整売りが入った模様。なお、米金利先物は9月の利下げを100%織り込んでおり、利下げ幅が50bp(0.50%ポイント)に拡がる可能性も依然として30%超織り込まれている。