この記事は2024年9月11日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Yong Hian Lim/stock.adobe.com)

2024年9月11日(水)の午前8時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

先月からメルマガでは、米国株とリスクアセットである豪ドル/円の下値余地拡大に注目してきたが、今月に入ってマーケットではドイツの失速も目立ってきた。その筆頭はフォルクスワーゲン(VW)。

ドイツ自動車メーカーの危機が深まっている。フォルクスワーゲン(VW)はコスト削減の取り組みの一環として、国内労働者向けの雇用保障協定を破棄する。 VWは、2029年までの雇用を保障していた30年来の協定に関連するいくつかの合意を取り消したと明らかにした。雇用保障は事実上、来年半ばまでに打ち切られることになる。ドイツの高い技術力の代名詞とも評される同社での雇用保障打ち切りは、欧州最大の経済大国である同国の競争力がいかに失われているかを浮き彫りにする。

(出所:ブルームバーグ)

一方、BMWも通期業績予想の下方修正を強いられている。報道によれば、自動車部品メーカーのコンチネンタルが供給したブレーキシステムの欠陥で、約150万台がリコールや納車停止を余儀なくされたとされている。

こうしたドイツの失速も影響してか、今月になってユーロ/米ドルの上値が重い展開。

現在の為替相場の戦略やスタンス

来週からFRBの連続利下げのスタートが予想されているため、米ドル/円のようにドルが弱含むことが予想されているのだが、ユーロ/米ドルでは逆にユーロ安、ドル高が進んでいる。結果、ユーロ/円はじわじわ値を下げる展開。

株の調整を横目に通貨では豪ドル/円の下落に注目してきたが、ドイツ経済の失速の影響もありユーロ/円の下落にも警戒したい。

▽ユーロ/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。