毎年、新たに発売されるビジネス書は約6,000冊といわれています。いったいどの本を読めばいいのか、迷ってしまう方も多いでしょう。

このコーナーでは、読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で注目されているおすすめの書籍をランキング形式でご紹介。さらにその中からアクセスの多かったトップ3の書籍について本文で詳しく見ていきます。

まずは2024年10月にビジネスパーソンから最も読まれた10冊の書籍の発表です!

1位:『後悔しない時間の使い方』(ティボ・ムリス、弓場隆(訳)/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
2位:『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』(今井むつみ/日経BP)
3位:『なぜ、あの人は仕事ができるのか?』(田尻望/すばる舎)
4位:『休養学』(片野秀樹/東洋経済新報社)
5位:『「考えなくていいこと」リスト』(井上智介/三笠書房)
6位:『人事ガチャの秘密』(藤井薫/中央公論新社)
7位:『上機嫌のつくりかた』(植西聰/自由国民社)
8位:『はかどる技術』(鈴木邦成/フォレスト出版)
9位:『「考えすぎて言葉が出ない」がなくなる』(齋藤孝/サンマーク出版)
10位:『あなた次第でこの世界は素晴らしい場所になる』(ひすいこたろう/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

※本の要約サービス「flier(フライヤー)」の有料会員を対象にした、2024年9月25日〜2024年10月24日の閲覧数ランキング

先延ばしとは、人生で最も重要な今日を無視すること

後悔しない時間の使い方、できていますか? 2024年10月に読まれたビジネス書トップ3
(画像=Silkstock/stock.adobe.com)

2024年10月の月間ランキング第1位は、『後悔しない時間の使い方』でした。タイパが一般的に広く意識されるようになり、かつてなく生産的な時間の使い方を意識する機会が増えました。その一方で、ついつい色々なことを後回しにして、無自覚に時間を浪費していると悩む人も多いはず。

そうした人に、「先延ばしとは人生で最も重要な今日を無視することである」と著者は投げかけます。そもそもなぜ私達は先延ばしをしてしまうのでしょう。1つには「現状に対する認識不足」があります。たとえばモチベーションがわくのを待っていて動けないのであれば、それを認識し、いったん行動を起こしてみる。そうすると何かをする前にそれをしたいという気分になる必要はないのだと、気づくはずです。また「効果的なルーティンがない」ことも先延ばしの理由に。人間は習慣の生き物であり、強い意思がなければ簡単に怠けてしまうものです。だからこそ、ノートを広げる、とにかく5分課題に取り組んでみるなど、負担なく毎日続ける習慣を確立すべきなのです。

人生の浪費から抜け出すため、時間に対する考え方を学び、本当にやりたいことを見きわめる。自分にとっての生産的な時間の使い方とは何なのかーー。ぜひ本書で、時間に対する認識をアップデートしてみてはいかがでしょう。

後悔しない時間の使い方
後悔しない時間の使い方
ティボ・ムリス・弓場隆(訳)
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2024年02月23日
ジャンル:自己啓発・マインド・生産性・時間管理

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「話せばわかる」は「幻想」

第2位は、私達の「ちゃんと話せばわかり合える」という当たり前に一石を投じる『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』です。

多くの人は「話せばわかる」ということを、当たり前として考えているふしがあります。ところが、著者である今井むつみさんは、そもそも「話せばわかる」は幻想ではないかと指摘します。なぜなら言葉を発している人と受け取っている人とでは、「知識や思考の枠組み」が異なるからです。

たとえば、「ネコ」という名詞ひとつとっても、人によって思い浮かべるものは別物である可能性は高いもの。だからこそ、相手が理解を示していたとしても、相手の独自の解釈で受け取られている可能性は否定できません。また自分が「わかった」と思ったときも、相手の意図通りに理解できていない可能性があることを忘れてはいけません。

だからこそ私達は人間の認知の特徴を知り、「伝わらない」から「言えば伝わる」を実現するにはどうすればいいかの解決策を知る必要があります。本書を読んで、認知科学・心理学的な視点から一つずつひも解いていきましょう。

「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?
「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?
今井むつみ
出版社:日経BP
発売日:2024年05月13日
ジャンル:リベラルアーツ・トレンド

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仕事ができる人の共通点は「仕組み化」にあった

第3位は、『なぜ、あの人は仕事ができるのか?』です。このタイトルを見て、「その秘密を知りたい」「自分も真似できるだろうか」と気になる人も多いはずです。著者である田尻氏はキーエンス出身の経営コンサルタントで、10万部を突破した『付加価値のつくりかた』や『再現性の塊』などで知られる人物。本書では「仕組み化」というキーワードのもと「仕事ができる人」の秘密を教えてくれます。

著者のいう「仕組み化」とは「効率化」と「高付加価値化」という2つのステップから構成されています。そのうち「効率化」に有効的な方法は3つ。1つめは今後の作業時間を短縮する「フォーマットの統一」。2つめは営業先のテレアポリストや顧客メモなどの「見える化」。3つめは「言葉の統一」です。商品の価値や特徴やニーズといった曖昧な言葉を定義・共有し、「数値化、変化、基準値」を揃えて取り組みの振り返りをすることで、再現性の高い仕事を構築することができるのです。

現在の自分の仕事の「仕組み」はどうなっているのか、そして「仕組み化」ができた先で仕事がどう変わるのか、ぜひ意識して試してみてください。

なぜ、あの人は仕事ができるのか?
なぜ、あの人は仕事ができるのか?
田尻望
出版社:すばる舎
発売日:2024年06月30日
ジャンル:生産性・時間管理

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いかがでしたか?

ランキングの上位を見てみると、時間の使い方から仕事の仕組み化まで、様々な学びに貪欲な読者の姿が反映された結果となりました。どの書籍も決して難しい内容ではなく、明日から毎日を変えられるヒントがたくさんあるので、ぜひ試してみてください。

少しでもあなたに合いそうな1冊があればお手にとっていただければ幸いです。

来月はどういった書籍が読まれるのでしょうか。ぜひ皆様も予想してみてください。

flier編集部

本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

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