外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2025年3月3日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼28日(金)の為替相場
(1):東京CPI鈍化
(2):独CPIは横ばい
(3):米個人消費が減少
(4):米・ウ首脳会談は決裂

▼28日(金)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ウクライナ情勢の影響が読みにくい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

28日(金)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
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期間:28日(金)午前7時10分~1日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):東京CPI鈍化

日本2月東京都区部消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除いたコアベースで前年比+2.2%と市場予想(+2.3%)を下回り、前月(+2.5%)から伸びが鈍化。ただ、日銀の物価目標である2%を4カ月連続で上回った。このため日銀の利上げ観測後退による円売りは一時的だった。なお、日銀の内田副総裁は国会答弁で「(経済・物価の)見通しが実現していく場合、それに応じて政策金利を引き上げ、緩和の度合いを調整していく考えに変化はない」と述べた。

(2):独CPIは横ばい

独2月CPI・速報値は前年比+2.3%(予想、前月ともに+2.3%)、欧州連合(EU)基準の2月CPIは前年比+2.8%と予想(+2.7%)を上回り前月と同じ伸びだった。

(3):米個人消費が減少

米1月個人消費支出(PCE)は前月比-0.2%と市場予想(+0.2%)に反して減少。同PCEデフレーターは前年比+2.5%と市場予想通りに前月(+2.6%)からやや鈍化した。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターも前年比+2.6%に伸びが鈍化した(予想+2.6%、前月+2.9%)。

(4):米・ウ首脳会談は決裂

ウクライナのゼレンスキー大統領はトランプ米大統領・バンス副大統領とホワイトハウスで会談。和やかに進んでいた会談は、ロシアとの戦争について外交的解決を目指すべきとしたバンス副大統領の発言をきっかけに雰囲気が一変した。ゼレンスキー氏が、プーチン・ロシア大統領は停戦の合意を過去も破ってきたとし、「あなたが話しているのはどんな外交ですか」と真意をただしたところ、バンス氏は「あなたは失礼だ」と批判。口論が始まるとトランプ氏も「あなたは我々に指図する立場にない」「あなたは数百万人の命と第三次世界大戦を賭けたギャンブルをしている。やっていることは米国に対して非常に失礼だ」とまくしたてた。その結果、鉱物資源に関する協定署名は見送られ、昼食会や共同会見も中止になった。これを受けて一時、対ユーロを中心にドル買いが優勢となった。クロス円は一時下落したが、米国株が売り一巡後に持ち直したため下げ渋った。