トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「来週の政策金利予想はマチマチ。新憲法議論はどうなるか」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価18位)   
予想レンジ トルコリラ/円3.4-3.9

*CPI低下で来週は利下げ予測も出てきた
*トリプル安
*対ドルでじり安続く
*新憲法論議で野党を抑圧
*GDP、1Qは前年比2.0%増 予想下回る
*4月雇用が悪化
*静かなる弾圧、野党議員を含む数十人を逮捕。ただ支持率は野党がリード
*トルコ中銀がリラ安容認か=ゴールドマン
*外貨準備残高が増加中(リラ売りか)
*米国の相互関税は10%
*トルコの外貨預金比率は34.25%で高い
*中銀の目標は2025年末に政策金利を21%へ引き下げること
* 年末時点のインフレ予想は24%

(トリプル安継続)
 リラは年初来最弱で対円16.97%安、対ドルで7.93%安。株価(イスタンブール100指数)は年初来3.5%安、10年国債利回りは31.1%と依然高い水準にある。

(5月消費者物価)
 5月消費者物価は前年比35.41%上昇。予想は前年比で36.1%上昇、前月は37.86%。インフレ率は年末までに約30%へ低下すると見込まれているが、依然として中銀予想である24%を上回っている。

 次回の中銀金融政策委員会(MPC)会合は6月19日に予定されており、その次の会合は7月24日に開催される予定だ。
 
(6月の政策金利予想はマチマチ)
 5月のインフレ率が予想以上に急激に減速したことで、中銀が早ければ今月にも利下げを再開する可能性がある。前月比のインフレ率は1.53%で、前月の3%から低下した。これは主に食品価格の予想外の下落によるもの。ヤティリム・フィナンスは「インフレが予想以上に良好だったため、6月の会合での利下げ期待が高まるだろう」と指摘。

 一方INGは、強力なベース効果と幅広い価格圧力の低下が年間インフレ率を押し下げ、改善傾向を強めていると述べた。「これは、タイムリーかつ包括的な措置のおかげで、最近の市場変動のインフレへの影響が抑制されたままであることを示唆している」と指摘した。
モルガンスタンレーとINGは、CBRTが6月の会合で金利を据え置くと予想している。モルガン・スタンレーは、7月に利下げが行われると予想している。

中銀は先週、四半期報告書でインフレ予想を据え置き、上振れリスクと下振れリスクは均衡していると述べた。カラハン総裁は、インフレが悪化した場合、政策を引き締める用意があると述べている。

(対ドルでじり安続く)
 あの3月18日のイマモール市長の拘束(後に逮捕)から混乱した相場の中にいる。ドルリラは急落した3月19日の高値41.0079安値35.6587の半値の38.3333の上(ドル高リラ安)にある。3月19日の急落時にはリラ買い介入を実施、下げを抑えたが、その後は介入の手を緩め、ドルの買戻し観測もあり、リラのじり安が続いている。

トルコリラ見通し
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