
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年6月12日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼11日(水)の為替相場
(1):米中通商協議 合意
(2):ECB専務理事 見解述べる
(3):米大統領 イランとの核協議 難航
(4):米CPI 予想より弱い結果となる
▼11日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感模索する展開/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
11日(水)の為替相場

期間:11日(水)午前6時10分~12日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米中通商協議 合意
英ロンドンで米国と通商協議を行った中国の代表団は「ジュネーブ合意を巡り米国とコンセンサスに至った」と語った。その後、ラトニック米商務長官も「ジュネーブでの合意を実行する枠組みで一致した」と発言した。これを受けてNY時間には、トランプ米大統領は自身のSNSに「中国との合意は成立した。あとは私と習国家主席の承認だけだ」「我々は55%の関税を得る。一方、中国は10%だ」と投稿した。
(2):ECB専務理事 見解述べる
欧州中銀(ECB)のレーン専務理事は6月の利下げによって、ユーロ圏のインフレ率が2%未満で定着するのを防ぐ出来ることが出来るとの見解を示した。
(3):米大統領 イランとの核協議 難航
トランプ米大統領はイランとの核協議で、核開発計画の停止に合意するようにイランを説得できるかどうか「自信を失いつつある」と発言。一方でイランは協議が決裂し、攻撃を受けた場合には中東にある米軍施設に報復攻撃を行うと警告した。その後、米政府は在イラク米大使館の一部職員に退避を命じ、米軍関係者の家族に中東からの退避を許可した。
(4):米CPI 予想より弱い結果となる
米5月消費者物価指数は前月比+0.1%、前年比+2.4%となり、前月比は市場予想(+0.2%)を下回った。前年比は予想通りだった。また生鮮食品やエネルギーを除いたコアCPIは前月比+0.1%、前年比+2.8%となり、ともに予想(+0.3%、+2.9%)を下回った。この結果を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)の9月利下げへの期待が高まった。また、トランプ大統領は自身のSNSへ「CPIがさっき出た、良い数字だ!」「FRBは金利を1%引き下げるべきだ」などと投稿。またバンス副大統領も「FRBが利下げを拒否するのは金融上の過失だ」と自身のSNSに投稿した。