南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「米の南ア制裁法案前進でランド下落。今週は政策金利」南アランド見通し

「通貨7位、株価5位」
「予想レンジ 南アランド円8.1-8.6」

(ポイント)
*先週はランド下落、米の南ア制裁法案前進で
*今週は政策金利決定 0.25%利下げか
*インフレ目標下方修正なら政策金利据え置きか
*6月の消費者物価は3%
*株価は強い
*G20反米声明採択、南アが議長国のG20財務相・中銀総裁会議
*G20は関税反対、中銀の独立性重視を主張
*10月にグレーリストから外れる
*トランプ米大統領、南アからの対米輸出品に30%の関税課す
*GNU亀裂問題は続くが修正の兆しも
*今年のランドを支えるのは資源価格の上昇
*S&P、南アの2025年の成長予測を下方修正
*1Q・GDPは前年同期比0.8%増

(ランドは先週下落、米国との軋轢で)
 7月月間は先週、最強通貨から6位に後退した。再び対米関係が悪化した。
年間では7位に後退、円に抜かれた。南ア株価指数は年初来17.63%高と通貨と異なり好調維持。10年国債利回りは9.84%。 

(今週は政策金利決定。6月の消費者物価は)
6月の消費者物価の前年比上昇率は3.0%と、目標レンジ(3-6%)下限となった。
市場予想と一致し、5月の2.8%から上昇。インフレ率が年内に4%へ上昇する可能性が高いが、政策金利が現在7.25%であるため、実質金利は非常に高いと見られている。 また国内経済が低迷しており、金融緩和の論拠が強まっている。
 今週の政策金利決定会合では0.25%利下げの予想が多い。

(インフレ目標下方修正と政策金利)
中銀はインフレ目標を、現在の3~6%の目標レンジ内の中間値である4.5%から3%に引き下げる可能性も示唆している。インフレ期待をその水準まで引き下げるという目標であれば、金利はより長期間、若干高めに維持される必要があるかもしれない。これは、インフレ期待が修正目標と一致するようにするため、年末まで金利を据え置くことを意味する可能性がある。

(米議会で南アに対する制裁法案が前進 その1)
 南アとの関係を見直し、一部の南ア政治家に制裁を課すために米国議会に提出された法案が、米国外交委員会を多数の支持を得て通過した。
「2025年米国・南ア二国間関係見直し法案(HR2633)」として知られるこの法案は、米国と南アの関係の包括的な見直しを求めている。

法案提出者のジャクソン議員は、この法案がトランプ大統領の外交政策を支持するものだとして、南アが「中国、ロシア、イラン、ハマスとの関係」に対する責任を負わなければならないと繰り返し訴えてきた。
 南アがロシアや中国の「権威主義体制」に傾倒し、反米姿勢を繰り返していることを問題視した。また中国と合同軍事演習を実施し、最近台湾との外交関係を格下げしたことが、このことを証明している。
 南アが国際司法裁判所でイスラエルに対して起こした大量虐殺訴訟も取り上げられた。