転換期にさしかかる保育市場
保育業界をめぐっては、共働き家庭の増加や女性の就業率上昇で保育所利用者と保育施設数の増加が続いてきた。
しかし、待機児童問題が全国的に解消に向かったことや、少子化の加速などを受け、転換期を迎えつつある。
グローバルキッズはこうした外部環境の変化を踏まえ、昨年11月、「『2030トリプルトラスト』実現に向けた経営戦略」と題する長期ビジョンを策定した。
職員と親子と地域に最も信頼される存在になり、子ども達の育ちと学びの社会インフラになるとの決意を込めた。
マーケティング強化による入所率向上に伴う売上増加、職員配置適正化による離職率低減、生産性向上によるコスト削減といった収支改善策の推進はもとより、少子化時代に選ばれる保育所づくりをテーマに掲げる。
差別化の一つとして位置付けるのが保育周辺での新規事業。具体的には習い事、野外教育プログラム(キャンプなど)、親子活動プログラム(運動教室、農業体験など)などの展開を進め、収益源の多様化にもつなげる。
(画像=グローバルキッズCOMPANYが東京都内で運営する保育所、「M&A Online」より引用)
改めて再編のタイミングを計るか?
グローバルキッズはM&Aで苦い経験を味わったことがある。2022年7月に、首都圏を主力とする同業大手のさくらさくプラスと経営統合で基本合意した。
ところが、統合への詰めの協議が折り合わず、その3カ月後に破談。業界のリーディングカンパニーに歩を進める目論見が崩れ去った。
保育市場が転換期を迎える中、改めて業界再編のタイミングを計ることになるのか、同社の出方が要ウオッチとなりそうだ。

(画像=「M&A Online」より引用)
文:M&A Online