
総括
FX「中国景気減速は他国へ及ぶ。関税交渉90日延長」人民元見通し
(通貨10位、株価12位=上海、香港ハンセンは3位)
予想レンジ 人民元/円 20.2-20.7
(ポイント)
*人民元は弱く、株価は強い
*長期金利回りは下げ渋り
*中国の景気減速は他国へ及ぶ
*中国は対アフリカ関税ゼロとして関係強化
*米国との関税期限を90日延長
*若者の失業率が高い
*LPR据え置き
*トランプ大統領、関税免除措置「デミニミス」廃止
*2Q・GDPは5.2%増
*6月中国輸出5.8%増、輸入1.1%増
*物価の伸び悩みは続く
(人民元は弱く、株価は強い)
人民元は年間では10位、対円で4.25%安、対ドルでは2.01%高。11位のドルとピッタリ寄り添って下位で推移している。上海総合指数は年初来12.37%高で10年ぶりの高値圏、香港ハンセン指数は25.45%高と強い。10年国債利回りは1.789%とジリ高推移。
(景気減速は他国へ及ぶ)
7月の鉱工業生産は前年比5.7%増と、6月の6.8%増から減速し、予想の5.9%増を下回った。
小売売上高は3.7%増加。6月の4.8%増から伸びが鈍化し、予想の4.6%増を下回った。
鉱工業生産の伸びは2024年11月以来の低水準。小売売上高も24年12月以来の低い伸びとなった。
米中貿易摩擦が一時休戦となっているものの、国内需要の低迷やデフレ圧力、過当競争が企業収益を圧迫している。 ロイター調査では、中国のGDP成長率は3Qに4.5%、4Qには4.0%に減速すると予測されている。通年では24年の5.0%から4.6%に減速し、26年にはさらに4.2%まで落ち込むとの見通しが示されている。
多くの国が中国を輸出先第一としているが、中国景気の減速は自国にも影響が及ぶ。豪、NZしかり。
(米国との関税期限を90日延長)
ベッセント米財務長官は、関税を巡って中国と非常に良い話し合いを行ってきたと述べ、関税を互いに停止する期間をさらに90日間延長したことを受け、「現状はかなりうまくいっていると思う」との考えを示した。「中国は現在、関税収入の中で最大の歳入源となっている」と指摘。 米国が中国に課す関税率は10%の基本税率と20%のフェンタニル関連関税を合わせた30%にとどまり、中国は米製品への関税を10%に維持している。
(若者の失業率が高い)
7月の16-24歳の若年失業率は17.8%と、前月の14.5%から上昇した。25-29歳の失業率も前月の6.7%から6.9%に上昇した。一方、30-59歳の失業率は4.0%から3.9%に低下した。
(LPR据え置き)
人民銀行は20日、最優遇貸出金利(LPR)を予想通り据え置いた。据え置きは3カ月連続。 1年物は3.0%、5年物は3.5%。