
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年8月22日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼21日(木)の為替相場
(1):FRB理事 辞任を否定
(2):ユーロ圏 製造業PMIが改善
(3):英国はサービス業PMIが改善
(4):米EU 共同声明発表
(5):米新規失業保険申請件数が悪化
(6):米製造業PMIが大幅に改善
(7):クリーブランド連銀総裁 9月利下げに否定的なコメント
▼21日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値の重い展開が予想される/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
21日(木)の為替相場

期間:21日(木)午前6時10分~22日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):FRB理事 辞任を否定
クックFRB理事は住宅ローン疑惑を巡るトランプ米大統領による辞任要求について、「辞任を強要されるつもりはない」と現職に留まる意向を示した。そのうえで、「連邦準備制度の一員として、自身の財務履歴に関するいかなる質問にも真摯に対応するつもりで、正確な情報を収集して、正当な疑問に答え、事実を提示する準備を進めている」と声明で示した。
(2):ユーロ圏 製造業PMIが改善
独8月PMI・速報値は製造業が49.9で市場予想(48.8)に反して前月(49.1)から改善。サービス業は50.1と予想(50.3)以上に前月(50.6)から悪化した。その後発表されたユーロ圏8月PMI・速報値は製造業が50.5と予想(49.5)に反して前月(49.8)から改善し、好不況の分岐点となる50.0を上回った。サービス業は50.7とわずかに予想(50.8)を下回り前月(51.0)から悪化した。
(3):英国はサービス業PMIが改善
英8月PMI・速報値は製造業が47.3で市場予想(48.3)に反して前月(48.0)から悪化。サービス業は53.6と予想や前月(51.8)から改善した。
(4):米EU 共同声明発表
欧州連合(EU)と米国は貿易協定の概要を示す共同声明で合意したことを発表した。米国は自動車を含むEUから輸入する大半の製品に15%の関税を課し、EUは米国の工業製品に対する関税を撤廃するなどの内容が明記された。
(5):米新規失業保険申請件数が悪化
米新規失業保険申請件数は23.5万件と市場予想(22.5万件)以上に前週(22.4万件)から増加した。また失業保険継続受給者数は197.2万人と予想(196.0万人)以上に前週(194.2万人)から増加し2021年11月以来の高水準となった。
(6):米製造業PMIが大幅に改善
米8月PMI・速報値は製造業が53.3で市場予想(49.7)に反して前月(49.8)から大幅に改善し、好不況の分岐点となる50.0を上回った。またサービス業は55.4と予想(54.2)を上回ったものの前月(55.7)から悪化した。その後発表された米7月中古住宅販売件数は年率換算で401万件と予想(392.0万件)を上回った。中古住宅販売価格は前年同月比で+0.2%と過去2年で最小の上昇幅だった。
(7):クリーブランド連銀総裁 9月利下げに否定的なコメント
クリーブランド連銀のハマック総裁は「米連邦準備制度理事会(FRB)の2大責務はプレッシャーにさらされている」「最大の懸念はインフレが高すぎるかつ、上昇基調」「労働需要は低下してくるかもしれないが、労働供給も同様だ」との見解を示し、「現在のデータでは9月の利下げの論拠を示していない」と語った。これより前にはカンザスシティ連銀のシュミッド総裁が、利下げ時期を巡る議論は「各政策担当者が政策について過度に引き締め的と考えるか否かに帰着する」として自身は「やや景気抑制的だと考えている」としたうえで、「良い道筋にあると思う」との考えを示していた。